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「となりのイスラム 世界の3人に1人がイスラム教徒になる時代」(著: 内藤正典)を読みました

読了。数年間バングラデシュに通っておぼろげに感じていたことが「なるほど、そういうことか!」とすっきりする説明がいっぱいありました。 「イスラムとは唯一絶対の神アッラーに従うことで、実践的な宗教である。にも関わらずムスリムはイスラムの教えに沿…

「子どもの難問」(編著: 野矢茂樹)を読みました

読了。これは第一印象通りの良書でした!子ども向け本棚に絶対配架する。 「なぜ生きてるんだろう?考えるってどうすればいいの?やさしくするってどうすること?など素朴で深遠な22の問いに、各2人の哲学者が回答する。元々子ども向けの連載企画で、限られ…

「「暗黒・中国」からの脱出 逃亡・逮捕・拷問・脱獄」(著: 顔伯鈞)を読みました

読了。 「中国の民主化と憲政の確立を求め、「公盟」という改革団体の活動に参画した元共産党エリート学者の、当局からの弾圧と2年間に及ぶ逃避行の手記を編訳した一冊。まるでスパイ映画のような逃亡劇もさることながら、原著者によるあとがきの中国の現状…

「あたらしい名前」(著: ノヴァイオレットブラワヨ)を読みました

読了。 「ムガベ大統領独裁下のジンバブエからアメリカに移住したある少女の目線を通じ、ニュースで報じられたような出来事はジンバブエの普通の人々の生活の文脈からはどう見えていたのか、祖国からも移住先からも切り離された「移民」がアメリカで感じる宙…

「オリエントの嵐―中東現代史」(著: J.ブノアメシャン)を読みました

中東三部作、これにて読了。 「1950年代のアラブ各国は、アラブの統一を目指す一方、国民国家としての独立性を保持したいという相克を抱えていた。この相克につけこむ形で、イスラエルの建国や、石油・スエズ運河利権、東西冷戦といった利害を抱える英仏米ソ…

「砂漠の豹イブン・サウド―サウジアラビア建国史」(著: J.ブノアメシャン)を読みました

読了。ブノアメシャン中東三部作、第二作目。 「純化したイスラムへの回帰とアラビア半島への浸透を志すワハブ派の末裔として、イブン・サウドは部族間抗争を鎮め、メッカの守護者となりアラビア半島を統一、サウジアラビアを建国した。建国後は元来自由な遊…

「灰色の狼ムスタファ・ケマル―新生トルコの誕生」(著: J.ブノアメシャン)を読みました

読了。 「建国の父ムスタファ・ケマルは、瓦解するオスマン帝国からトルコ共和国を誕生させるため、西欧列強の圧迫を跳ね返し、社会・経済的に過重なくびきとなっていたイスラムを脱し、近代国民国家にふさわしい国土・国民・社会・経済基盤を築くという偉業…

「ビ」(著: 大竹伸朗)を読みました

読了。 ソウルメイトとも言うべき友が二人ともはまったアーティストにつき、ひとまず著書を拝読。そして芸術家のビ(美)に関するエッセイを要約するなんて全くおこがましい限りですが、超要約にチャレンジ。 「私が美しいと感じる、制作衝動を引き起こされ…

「自由からの逃走」(著: エーリッヒ・フロム)を読みました

読了。今回から、スゴみじの要約に挑戦! 「近代化を経て人は昔ながらの束縛から解放され自由になったが、同時に経済・社会組織の大きさの前に無力感や孤独を抱えている。無力感や孤独感に耐えきれない人は、個性を捨て依存に逃避する。自由を個性化に資する…

「「空気」と「世間」」(著: 鴻上尚史)を読みました

読了。 地域・企業と続いてきた同質性を前提とした共同体=「世間」を支えてきた原理が部分的に崩れて流れているのが「空気」ではないか、というのが鴻上さんのご指摘です。 もはや完全な共同体たる「世間」は戻って来ないのに、「空気」に共同体の匂いを求…

「VRビジネスの衝撃―「仮想世界」が巨大マネーを生む」(著: 新清士)を読みました

読了。 タイトルはちょっとあおりぎみですが、コンパクトにまとまっていて読みやすかったです。「バーチャル」の捉え方が、日本(仮想に重きがおかれる)と海外(実質的に現実)で違っていて、それがプロダクトにも反映されているという指摘は興味深かったで…

「オリエンタリズム」(著:エドワード・W.サイード)を読みました

読了。(上巻も) 最近中東のことをちゃんと勉強しなおそうと思っておりまして、その一環での選書。ヨーロッパ・アメリカにおける「東洋」についての言説を、小説から旅行記、学術論文にいたるまで幅広く分析し、「東洋」がいかに「西洋」とは異質の(そして…

「<中東>の考え方」(著: 酒井啓子)を読みました

読了。 何かと大国の「対象」として描かれがちな中東の近現代史を中東側の視点から紡ぎ直した本書。国際政治の本史の中で断片化して顔を出す中東各国の歩みを通史として見る視点が貴重なとってもオススメの一冊です。 2010年4月に上梓された本書ですが、最終…

「シグナル&ノイズ 天才データアナリストの「予測学」」(著: ネイト・シルバー)を読みました

読了。 ファイブサーティエイトという選挙に関する予測システム(サイト)を作りオバマ大統領の当選をぴたりと当てた著者の予測論。予測の権威が裏付けとなる因果関係の考察の重要性を指摘していた下記一節が印象深かった。 ーーーーーーーーーーーーーーー…

「「空気」の研究」(著: 山本七平)を読みました

読了。 なぜ日本人の思考は「空気」に流されるか?を考察した一冊。 日本人は、人であれモノであれ特定の対象に重ねたイメージを固定化してしまい、かえってその対象に自分の思考・判断をしばられてしまう、というのが「空気」に流された状態。なぜそうなる…

「ピンクとグレー」(著: 加藤シゲアキ)を読みました

読了。 図書館の返却本棚で偶然見かけて、お、これジャニーズの彼の小説じゃんと、お手並み拝見的なノリで。 ストーリーのテンポというかリズムというかがよく、結果思わず2日で読み切りました。それだけ息もつかず読ませるウマい小説だったということです。…

「アースダイバー」(著: 中沢新一)を読みました

読了。 ずっと前に薦められた本でしたが、『建築の大転換』をきっかけに同じ著者のこの本もついで読み。はるか昔、縄文時代の地形が今の東京各地の土地利用にどう影響を与え続けているかを考察・解読した一冊。 江戸前が海だったように、昔の東京は海と川が…

「坊さん、父になる。」(著: 白川密成)を読みました

読了! 経典をまったく読んだことがない身でいうのもなんですが、密生さんが繰り返し触れられていた「空」という概念や、固執すること・二項対立を超えていくこと、といった仏教の根っこの精神は、自分の問題意識のルーツととってもしっくりきました。 拙い…

「ボクは坊さん。」(著: 白川密成)を読みました

読了。 ボクもいつかお寺のマネージャーになりたいです。 ボクは坊さん。 作者: 白川密成 出版社/メーカー: ミシマ社 発売日: 2010/01/28 メディア: 単行本 購入: 8人 クリック: 69回 この商品を含むブログ (23件) を見る

「建築の大転換 増補版」(著: 伊東豊雄,中沢新一)を読みました

読了。 図書館の本を読んでいたら出てきた、せんだいメディアテークを設計した建築家伊東豊雄さんの本。 仙台の「みんなの家」がどうできたかも知りたくって読みました。 建築の大転換 増補版 (ちくま文庫) 作者: 伊東豊雄,中沢新一 出版社/メーカー: 筑摩書…

「服従」(著: ミシェルウエルベック)を読みました

読了。 2022年のフランス大統領選でイスラム系政党出身大統領が誕生したら、というのをとある仏文学の教授の目線から描いた小説。 可も不可なくもなくふーんという感じ。 フランス語が原文の文章・文体ってとっても特徴的。きっと日本語との相性あんまり…

「「文系学部廃止」の衝撃」(著: 吉見俊哉)を読みました

読了。 本書前半で昨年「文系学部廃止」がなぜ騒がれたのか?が分かりました。ずっと指摘され続けてきたことがマスコミの取り上げ方で炎上したのと、その前提として「文系は役に立たない」という広く共有された見方があったというのがその原因とのこと。 も…

「サイロ・エフェクト 高度専門化社会の罠」(著: ジリアンテット)を読みました

読了。 専門化・細分化が進みすぎるとどんな悲劇を招くか(例:ソニーや2008年経済危機を招いた金融・経済学)、逆にその「サイロ」をまたぐとどんなメリットがあるか(例:フェイスブック内科・外科といった診療科を廃止したクリーブランド・クリニック)を…

「下り坂をそろそろと下る」(著 平田オリザ)を読みました

読了。最近平田オリザさん連読中です、はい。 ざっくり言うと日本はもはや工業国でない、成長しない、アジア唯一の先進国でない、という3つの寂しさと向き合いつつ、文化を嗜む成熟した社会として、勝たなくとも負けないことを目指そうよ、という論旨でした…

「水の未来―グローバルリスクと日本」(著: 沖大幹)を読みました

読了。 緩和だけじゃなくて適応もとか、SDGsの話とか、「持続可能な開発」から「持続可能性の構築」とか、潮流をさらっとアップデートするのにいい、新書らしい一冊でした。 水の未来――グローバルリスクと日本 (岩波新書) 作者: 沖大幹 出版社/メーカー: 岩…

「拝啓 市長さま、こんな図書館をつくりましょう」(著: アントネッラ・アンニョリ)を読みました

読了! 仙台メディアテークのことはこの本で知りました。 拝啓 市長さま、こんな図書館をつくりましょう 作者: アントネッラ・アンニョリ,萱野有美 出版社/メーカー: みすず書房 発売日: 2016/04/20 メディア: 単行本 この商品を含むブログ (3件) を見る

「「思いやり」という暴力」(著: 中島義道)を読みました

読了。 平田オリザさんの本に引用されていて気になったので手に取った本でした。 対立を避けること、違いをないものとすることが、対話を妨げる。 「他者」とは「私」の拡大形態ではない。 違いを受け入れたまま、独力では到達できない高みに登るような「対…

「移ろう中東、変わる日本 2012-2015」(著: 酒井啓子)を読みました

読了。 普段「報道される側」の、中東で普通に暮らしている(いた)人々の目線に立った時評集。地上波のニュース番組や日経新聞の国際面ではおよそ窺い知ることができない、視点を見せてもらってとっても興味深かったです。 しかし、予備知識不足で一読で完…

「舟を編む」(著: 三浦しをん)を読みました

読了。 うー、いい本だった。泣けたー。 言葉への愛情がこんなに感じられる本なんてそうそうない。 ごちそうさまでした。 舟を編む (光文社文庫) 作者: 三浦しをん 出版社/メーカー: 光文社 発売日: 2015/03/12 メディア: 文庫 この商品を含むブログ (43件) …

「あなたが世界のためにできる たったひとつのこと―<効果的な利他主義>のすすめ」(著: ピーター・シンガー)を読みました

読了。 チャリティーに参加(寄付など)するに当たって、「解決すべき最も差し迫った課題は何か?」を問うのではなく、「自分がいちばん影響を与えられるのはどの分野か?」を問え、というのが一番の主張でした。 それをチョイスするには、自分の割けるリソ…

「黄金旅風」(著: 飯嶋和一)を読みました

読了。 飯嶋和一氏は、前職同期から教えてもらった小説家です。すごく丁寧に取材されて大作を書かれるので、著作数はおおくないですが、その分一冊一冊の濃厚さが半端でない。登場人物のエピソードだったり、場面のディテールだったり、描写が本当に細に入っ…

「対話のレッスン 日本人のためのコミュニケーション術」(著: 平田オリザ)を読みました

読了。 『芸術立国論』で言及のあった一冊。これまた2000年前後の連載を書籍にしたものでした。 社会全体を駆動する大きな物語が失われ自分の幸せを自分で決めなければいけない今の社会だからこそ、生きてきた背景や考え方が違う個人が、それぞれの違いを認…

「幸せな未来は「ゲーム」が創る」(著: ジェイン・マクゴニガル)を読みました

読了。 正直、携帯ゲームにあれだけはまる人の気がしれなかったのだけれども、作り手の側も色々考えていたのね。まさかゲームデザインにポジティブ心理学の知見が取り入れられているとは! 原題の"Reality is broken"というのも、なるほど、ゲームの作り手・…

「天空の蜂」(著: 東野圭吾)を読みました

読了。 1995年にはもうこのテーマで書いてたんですね・・・。 本木さんがあの役をどう演じたのか、映画観てみたくなりました。 天空の蜂 (講談社文庫) 作者: 東野圭吾 出版社/メーカー: 講談社 発売日: 1998/11/13 メディア: 文庫 購入: 10人 クリック: 181…

バングラデシュの小学校×アート教育?

今さらですが、私は自分を左脳人間と自認しています。楽器は一切弾けませんし、絵もここ最近はアンパンマンくらいしか描いてません。だからかえってということもあるかもしれませんが、最近いろんなこと(例えばAIとか子どもとか)がきっかけでアートについ…

「長沢鼎 ブドウ王になったラスト・サムライ―海を越え、地に熟し」(著: 多胡吉郎)を読みました

読了。先の朝ドラですっかり有名になった五代友厚(といより演じたディーン・フジオカさんか・・・)。その五代友厚が維新の3年前に引率した薩摩藩の青年16名のイギリス・フランスへの留学生のうち、当時13歳と最も年少だった長沢鼎の一生を描いた小説です。…

「葬式をしない寺―大阪・應典院の挑戦」(著: 秋田光彦)を読みました

読了。 「哲学カフェの作り方」という本を読んでて出てきたお寺の本。 お寺の源流は「学び」と「癒し」と「楽しみ」なんだそうです。いいなー、こんな場。宗教性を抜いたら成り立たなくなるかなぁ。 『劇場も寺も他者と出会う場所』 葬式をしない寺―大阪・應…

「大格差:機械の知能は仕事と所得をどう変えるか」(著: タイラー・コーエン)を読みました

読了。 大格差:機械の知能は仕事と所得をどう変えるか 作者: タイラー・コーエン,若田部昌澄,池村千秋 出版社/メーカー: エヌティティ出版 発売日: 2014/09/11 メディア: 単行本 この商品を含むブログ (14件) を見る

「<ひと>の現象学」(著: 鷲田清一)を読みました

読了。 ハイライトを抜粋。(「3 親しみ 家族という磁場」より) ****** 周りの人間にこどとごくこまやかに対応してもらった、手厚く世話してもらったという体験が、「しつけ」などの前提となる他者への信頼感を根づかせる。そして「存在の世話」とで…

「哲学の使い方」(著: 鷲田清一)を読みました

読了。 哲学のプロフェッショナルとしての問題意識を本気で世に問おうとして書かれた本だな、と感じました。比較的広い読み手が手にするであろう新書でこれを出したところによりいっそう本気度がうかがえます。 高度に専門化が進み、テクノロジーがどんどん…

「わたしを離さないで」(著: カズオ・イシグロ)を読みました

読了。 切った縫ったで途中「これはダメかも」と挫折しかけましたが、何とか最後まで読み通せました。 イギリスの風土が背景にあって雰囲気が醸し出されていく小説とお見受けしましたが、どう日本が舞台のドラマに仕立てるのかしら~。 小説のエンディングで…

「ロボットの脅威 ―人の仕事がなくなる日」(著: マーティン・フォード)を読みました

読了。 未来の見立てについてのなるほどーな話。 やはり今の経済状況は循環的なものでなく、構造的に断絶が起きていると考えたほうがいいのではないかと思い始めました。 分厚い中間層の存在を前提にしたビジネスは成り立たなくなっていくと。 労働力で勝負…

「経済学は人びとを幸福にできるか」(著: 宇沢弘文)を読みました

読了。 直接講義か講演を聞く機会もあったような気がしますが、すっかり逃していて惜しいことをしました。。。 駒場の歴史とか駒寮の文脈とか、知らなかったなー。 経済学は人びとを幸福にできるか 作者: 宇沢弘文 出版社/メーカー: 東洋経済新報社 発売日: …

「昆布と日本人」(著: 奥井隆)を読みました

読了! 曹洞宗の大本山永平寺、大本山總持寺の御昆布司も務める敦賀の老舗昆布商、奥井海生堂の4代目当主による、日本人と昆布の関わりを紹介した一冊です。 今や庶民の味としても親しまれている昆布はその昔高貴な方の口にしか上らない高級品だったんです…

「スモール イズ ビューティフル」(著: F・アーンスト・シューマッハー)を読みました

読了。 『貧困を救うテクノロジー』の下敷きになっているということで読んだ一冊。「開発は創造ではなく進化である」が一番心に残った名文。 どこまでも貪欲に利益追求を図る形の資本主義が、エネルギー資源の逼迫、失業と社会不安、大規模組織の硬直化・非…

不惑の何者感~それは山なのかアンカーなのか

ひさしぶりに朝井リョウさんの小説を読みました。『もういちど生まれる』という複数の大学生を主人公にした連作小説です。 「ああ、あったよねぇ~」と懐かしく感じられる描写がそこここにあったのですが、と同時に「あぁ、実はまだある」と思い当たったこと…

「もういちど生まれる」(著: 朝井リョウ)を読みました

読了。箸休め的にたまに小説も読みます。 本書は各章大学生世代の登場人物が主人公の連作短編集。1章の主人公が他の章でちょろっと出てきたりします。9割9分の「ああ、あった(っぽい)な~」という過去完了の感覚と、ほんとうにわずかばかりの「ああ、ある…

「芸術起業論」(著: 村上隆)を読みました

読了。 本書を読むきっかけになった引用元の本『アートは資本主義の行方を予言する』と同じく、文脈を理解した上で新しい価値をどう提示するかがやっぱり大事なんだそうな。(というか、本書の方が先に出ていることを考えると、こっちの主張がオリジナルなの…

「貧困を救うテクノロジー」(著: イアン・スマイリー)を読みました

読了。 「帯に嘘はなかった」っていう話し。 本書は、貧困に苦しむ人たちの生活の向上に真に役立つさまざまなテクノロジーを、実際のケース例を引きながら豊富な写真・図解つきで紹介したアイデアハック的な一冊、では全くありません。 MITの学生たちが、恐…

「GDP――〈小さくて大きな数字〉の歴史」(著: ダイアン・コイル )を読みました

読了。 わずか150ページ足らずの本ですが、ここ最近読んだ本では、指折りの良書でした。 GDPという物差しがどういう背景でどう技術的に作られたか、その可能性と限界がどこまでかを分かりやすく紹介しています。 GDPという指標を相対化することは、経済の範…