「長沢鼎 ブドウ王になったラスト・サムライ―海を越え、地に熟し」(著: 多胡吉郎)を読みました

読了。
先の朝ドラですっかり有名になった五代友厚(といより演じたディーン・フジオカさんか・・・)。その五代友厚が維新の3年前に引率した薩摩藩の青年16名のイギリス・フランスへの留学生のうち、当時13歳と最も年少だった長沢鼎の一生を描いた小説です。

長沢は当初ただ一人スコットランドに留学しますが、曲折を経て最終的にはカリフォルニアで一大ワイナリーのオーナーになりました。
鎖国下にあってわずか13歳で海を渡り、自らの軸足の置き方に煩悶しつつも、あくまで日本人として米国に根付き、成功を収めていく姿が感動的でした。
グローバル人材という呼び名はこういう人にこそふさわしいのだと思います。(というかこの呼び名自体がもはや安っぽいかも。。。)

多分世間ではあまり知られてないと思いますが、薩摩藩の英国留学生としては、後に初代文部大臣を務めた森有礼や、サッポロビールの前身となった開拓使札幌麦酒醸造所建設のプロジェクトリーダーを務めた村橋久成など、後にいろいろな方面で活躍した人材が派遣されています。
幕末から維新のニッチなジャンルとしてさらってみたら面白そうです。

ちなみにこの本、地元の図書館で借りて読んだんですが、借りてる最中に次の人の予約が入りました。マイナーな本だよなー、と思って読んでたんですが、他にも興味持ってる人がいるって分かってちょっと嬉しかったり。
しかし最近の図書館の本には貸し出しカードがないので、「この人とやたら同じ本読んでるなー」っていう、ジブリの『耳をすませば』的な感じのドキドキするやつがもうないですね。
すっかり余談です・・・

 

長沢鼎 ブドウ王になったラスト・サムライ―海を越え、地に熟し