「坊さん、父になる。」(著: 白川密成)を読みました

読了!

経典をまったく読んだことがない身でいうのもなんですが、密生さんが繰り返し触れられていた「空」という概念や、固執すること・二項対立を超えていくこと、といった仏教の根っこの精神は、自分の問題意識のルーツととってもしっくりきました。

拙い理解ですが「空」とは自分と他のもの一切はつながっていて、今の自分(個)はその関係性の中で決まってくる、しかしそれさえもかりそめのものであって、いつでも入れ替わったりするもの、ということ。

自分が国際のテーマに関心を持ったのも、テレビの向こうの世界が自分の現実になったら・・・とイメージしてからで、畏れ多くも多分「空」の感覚に通底するものがあるのではないかと。

「中道」の本当の意味も、相対する2つの間をとることではなく、対立そのものを越えて新たな価値を探るもの、と初めて知りました。
西洋哲学の弁証法と「中道」の概念はどうつながっていて、どう違うんだろうか。

国際の専従者でもましてや宗教家でもない自分が在野でどういう実践を行っていけるか、その心づもりを持たせてくれるような一冊でした。

合掌!

 

坊さん、父になる。

坊さん、父になる。