「「空気」と「世間」」(著: 鴻上尚史)を読みました

読了。

地域・企業と続いてきた同質性を前提とした共同体=「世間」を支えてきた原理が部分的に崩れて流れているのが「空気」ではないか、というのが鴻上さんのご指摘です。

もはや完全な共同体たる「世間」は戻って来ないのに、「空気」に共同体の匂いを求めてしまう。でも「空気」はあくまで匂いだからすぐに移ろってしまう頼りないもの、そんな「空気」を一生懸命読んですがろうとするのはやめた方がいい。異質なものと出会う社会に出ていって複数の共同体にゆるやかに属す方がよい。

子ども向けの本棚を作るとしたら、そっと置いておきたい一冊でした。
いつか生きにくさを感じるようなことがあった時に、何気なく手にとって気持ちがふっと軽くなるヒントになったら。

 

「空気」と「世間」 (講談社現代新書)

「空気」と「世間」 (講談社現代新書)