「あたらしい名前」(著: ノヴァイオレットブラワヨ)を読みました

読了。

ムガベ大統領独裁下のジンバブエからアメリカに移住したある少女の目線を通じ、ニュースで報じられたような出来事はジンバブエの普通の人々の生活の文脈からはどう見えていたのか、祖国からも移住先からも切り離された「移民」がアメリカで感じる宙づり感はどのようなものか、が描かれた小説。」(136字)

NGOの支援活動にどう「リアクション」しているか、なーんて場面もあったりして、(海外ニュースやNGOのPR誌などに)「報じられる側」の生活者目線が垣間見えて面白一冊でした。

移住後のアメリカでのストーリも、また同様。
移住先で、移住先の社会のみならず祖国からも二重に「疎外される」側のリアリティが描かれていました。
その宙ぶらりん感が、とっても切ない…

筆者の語り口・筆致は軽妙なのですが、描かれている内容は、とっても示唆的。

堅い勉強チックな本でなく、アフリカや移民の話に触れてみたい方にオススメの一冊です。

 

あたらしい名前

あたらしい名前