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「入門 近代仏教思想」(著: 碧海寿広)を読みました

読了。
無宗教を自認しつつも、英語で聞かれると何となく" I'm Buddhist."と答えてしまう、現代を生きる私(たち)の仏教とのつながりが垣間見えた気がします。

明治維新後、近代国家建設の過程で特権的地位を失った仏教は、哲学、体験、伝統、教養と存在価値の源泉を変えつつ思想として社会に定着しようとしたが、国民の動員に加担した太平洋戦争の敗戦と共に廃れ以後忘れられた。しかし現代が立脚する近代を仏教思想がどう規定していたかはもっと検証すべきだ。」(140字)

神道キリスト教の挟み撃ちにあって、明治~戦中の仏教はもがいていたみたいですね。
それが、戦時下、仏教のみならず、キリスト教や、天理教などの新興宗教もこぞって国家貢献して、こけちゃった結果、大多数の人にとっては、よく言えば宗教との関係が柔軟なこんな社会になったという…

本書では、新しい社会での支持獲得のため、仏教の諸宗派ならびにキリスト教などの他宗教が、特に伝統的な寺院や教会を離れて積極的に講話の会や対話の場を開いていた様子が描かれていますが、自らの進路に悩む青年が相談に行ったり、互いの語りを聞き合うという場としてそれらが機能していたようで、このニーズは昔も今も変わらずあるものなのね、という気がしました。
ただ、昔のこういった場がパワフルだったのか、輩出される門人の粒の大きさはすげーなの一言です。(内村鑑三門下の志賀直哉矢内原忠雄南原繁大塚久雄、近角定観門下の田辺元岩波茂雄、など)

しかし、中野の哲学堂が、本当に過去の哲学者を祀ったことが名前の由来であるとは知らなかったなぁ~。

 

入門 近代仏教思想 (ちくま新書)

入門 近代仏教思想 (ちくま新書)