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「山谷 ヤマの男」(著: 多田裕美子)を読みました

本棚

読了。
1999年から2年間、山谷にある玉姫公園で山谷の男たちのポートレートを撮った写真家多田裕美子さんのフォトエッセイ。

本書は自分の今年がぎゅっと詰まったような1冊で、しみじみご縁って不思議だなーと思いました…

きっかけは毎年夏恒例のバングラツアーを見送ったこと。
代わりに行った大阪では、鷲田清一さんの本で読んで前々から覗いてみたかったラボカフェ(哲学カフェ)がちょうどタイミングよく開催されていて、ドロップインさせてもらった夜のテーマがあいりん地区で日雇いのおじさんたちと釜ヶ崎芸術大学などアート活動を展開してきた詩人・上田假奈代さんゲストの「ゲストハウスとカフェと庭とココルーム」で、そんなフックもありつつの自由大学でゲストハウスの授業とって「ふーん浅草界隈がメッカなのね」とか思ってた矢先日経の書評欄で本書をみつけて読んでみたら、全部がつながったっていう・・・。

山谷という文脈を抜きにしてひとりひとりの男の放つ強さ・たくましさを撮りたかったという多田さんは、敢えて黒の背景でポートレイトを撮られているのですが、表紙の写真然り、どの写真も強烈に放たれてくる何かを感じられるものばかりでした。
つい数日前、俳優の遠藤憲一さんが何も言わなくてもいるだけで観ている人をうわーっと引き込めるような俳優になりたいとコメントされているのを目にしましたが、まさにそんな印象のカットばかりです。

この写真が撮られてからすでに15年以上が経って、山谷の様子も変わってきているとのこと。
とは言え、本書を眺めただけで分かった気になるのはもっての他なので、いつか、自分の足でそこに立って自分の感覚で感じてこないといけないと思いました。
今だとまだ物見遊山気分が濃くなりそうなので、もっと機が熟して時が来たら、きっと。

 

山谷 ヤマの男 (単行本)

山谷 ヤマの男 (単行本)