「ビットコインとブロックチェーン:暗号通貨を支える技術」(著:アンドレアス・M・アントノプロス)を読みました

読了。
wired立ち読みしても全然分かんなかったけど、この本の末にある解説は超まとまっていて分かりやすかった!

ビットコインでは、ネットワーク参加者が分権的にデータを圧縮・検証・アーカイビングし、結果の集積=ブロックチェーンをユーザー間で同期しながら共有する。圧縮には大量の計算が必要で、一時点のデータを改竄すると以後のデータも全て再計算しなければならないため、実質的に改竄を困難にしている。」(140字)

ビットコインを成り立たせているブロックチェーンの原理を技術的に解説した本。
コードも出てきて「うへ、無理かも」と思ったのですが、分からないところ飛ばしながらならぎりぎり読みこなせます。

基本的には、簿記でいうところの仕訳データをどう束ねて保存して共有するか、という仕組みなんだなぁと理解しました。

複数の仕訳データをまとめて圧縮するのですが、その時、仕訳データ本体と、まとめられた塊(=ブロック)についての情報と、ひとつ前の塊についての情報と、もうひとつの変数Xをある関数に当てはめ、その答えが一定の条件(分かりやすく言ってしまえばある数値以下になること)を満たすようなXを探しあてられたら圧縮が成功するという原理になっています。
X自体は総当たりで当てはめてみるしか探す方法がないということで、そのため圧縮時にとてつもなく大量の計算を行わなければいけません。
各塊=ブロックは前のブロックの情報を参照しているため、ある時点のデータを改竄しようとすると、その改竄が以後のブロック全てに波及し、全ブロックについて再計算・圧縮し直ししなければならず、その計算量が膨大すぎるて実質改竄が難しいため、たとえデータをパブリックに共有していても適正に保存し続けられるという仕組みになっています。

マウントゴックスの一件があって日本では長らく胡散臭く見られていましたが、果たしてブロックチェーンは(どのくらい)破壊的イノベーションなんだろうか?と気になっていたのです。

本書は、どちらかというとビットコイン・ブロックチェーンの構成要素ごと(トランズアクション、ブロック、ブロックチェーン、ウォレットなど)の解説書で、どのくらいのインパクト・応用性あるかというのは他の本あたった方がよさそうですが、仕組みの理解という意味では役に立つ一冊でした。
最初に読めてよかったかもな。

さて、次は応用についての本を読んでみよう。

 

ビットコインとブロックチェーン:暗号通貨を支える技術

ビットコインとブロックチェーン:暗号通貨を支える技術