中国モノマネ工場ー世界ブランドを揺さぶる「山塞革命」の衝撃(著:阿甘、生島大嗣、徐航明)を読みました

ブランド携帯の模倣・コピーから始まった「山塞」携帯の躍進をきっかけに、大陸中国では徹底した分業とマーケット密着、少量多品種のプロダクトを早いサイクルで投入するという「山塞」モデルが広がっていっている。
この「山塞」モデルは、こと国営企業が幅を利かせている中国にとってもさることながら、世界的に見ても革命的な新しいビジネスモデルである(と著者の阿甘氏は主張している)。

 

本書が題材にしているのは2007年頃の携帯市場で、まだノキアが健在で、iPhoneは世に出ておらず、EMSと言えばパソコン分野に限られた話だった頃のこと。その頃すでに中国では水平分業がものすごい勢いで進んでいたというから、その後日本の家電メーカーが苦戦するのもさもありなんという話で。
早くプロダクトを投入して、ユーザー・消費者の動向を受けて素早く次の商品開発に活かすというのは、プロトタイピングの考え方にもとっても近い。
物価・賃金水準の低さから、ひとつひとつのビジネスユニットが低単価・薄い利幅でプロダクト・チェーンに加われていたという一過性の強みではあったかもしれないけれど、いろんな分野での垂直統合を相対化した、という意味ではやはり一種の革命だったのかもしれない。

 

 

中国モノマネ工場

中国モノマネ工場