新しい分かり方(著:佐藤雅彦)を読みました

Eテレピタゴラスイッチ」の監修を手掛けていらっしゃる方の本と新聞の書評欄で見かけて読んでみた一冊です。

著者の佐藤雅彦さんは、電通ご出身でその後独立、メディアクリエーターとして多方面に活躍され(だんご三兄弟バザールでござーるなど!)、今は慶應と東京藝大で教授も務められています。

 

なんでこの本を作ったのか、どんな狙いを込めたのか、というのが本書の「あとがき」に書かれていましたが、それがとっても素敵でした。

いわく、「初めてなのに、とてもよく分かり、その場で使いこなせる。しかも、その能力を使えば、今後生きること自体に前向きになれる。」そういう「まだ発現の機会を与えられていない生得的能力」が発現するのを促そうとして、この本を著したのだそうです。
だから、この本には、「こんなことが自分に分かるんだ」とか「人間はこんな分かり方をしてしまうのか」ということを分かるための機会をたくさん入れたのだそう。

 

そういう後に残る余韻というか、財産というか、を考えて作品を作る、エンパワメントを目的としたクリエイティブって、制作の動機としてとても素敵だなぁと思いました。

 

ちなみに本書の構成は、前半に上記のような「新しい分かり方」を体験する作品が並んでいて、後半に開設を兼ねた随想が続き、最後にあとがきがあるという流れになっています。

作品を体験してから随想・あとがきを読むのもいいですが、「あとがき」を先に読んでマインドセットしてから読み進めるのもよさそうです。

 

ひとつひとつの作品の体験が面白くて、あっという間に読み進んでしまう本でした。

ぜひご自身でも体験してみてください!

 

新しい分かり方

新しい分かり方