おもてなし幻想-デジタル時代の顧客満足と収益の関係(著:マシュー・ディクソン、 ニック・トーマン、 リック・デリシ )を読みました

日経の書評で見かけて、逆説的なタイトルに惹かれて読んだ一冊。

 

顧客ロイヤルティを高めるために顧客の期待を上回る対応をしようとすることは効果的ではなく、むしろ顧客対応の仕方を間違えると顧客ロイヤルティを損なうことになる。
顧客は自己解決(セルるサービス)での問題解決を希望しているので、顧客対応はどちらかというと攻め(顧客対応によって付加価値をつけようとすること)より守り(誤った顧客対応を避けること)の方が大事。
その守りの側面で大事なのは、顧客の自分がしなければならなかった努力についての捉え方であって、なるべくセルフサービスで問題解決できるようタッチポイントを設計しなければいけない、というのが本書のコアでした。

 

詳しいテクニックについては本書に譲るとして、感じたことは、確かに顧客努力の低減というのが昨今の顧客のニーズに合っていそうだなということと、同時に本書の内容がコンタクトセンターの事例に偏っていてもうちょっとタッチポイント全般の作り方についてバランスよく論説されていたらよかったなぁということでした。

 

それでも引き算の顧客対応という視点は、人不足に陥っていくこれからの日本にとって新しくも有効な視点なのではないかと思いました。

 

おもてなし幻想 デジタル時代の顧客満足と収益の関係

おもてなし幻想 デジタル時代の顧客満足と収益の関係