築地ー鮭屋の小僧が見たこと聞いたこと(著:佐藤友美子)を読みました

読めば読むほど「しまった!」と思わされる本。

何がって、場内市場が移転する前に築地にもっと行って、この身で街を体験しておけばよかった、という後悔が読み進めるたびに何度も沸き起こってくるのです。

 

フリーのライターとして30歳を目前に控えた著者が、ふとしたきっかけで築地の鮭屋に惚れ込み働き始めてから見聞きしたことをまとめた本なのですが、家康の江戸開府から始まり関東大震災や太平洋戦争を経て今日(というよりつい先日まで)の姿に至った歴史や、市場で日々繰り広げられる 相対の取り引きに伴う人と人の機微、そして扱っている鮭をめぐる関係者の人となり、美味しそうな魚の食べ方がこれでもかと繰り返し紹介され、読めば絶対築地に行ってしゃけ子さんのお店で鮭買ってみたいなぁという気持ちになること間違いなしです。

 

今は豊洲への移転がなり、元のままの姿というわけにはいかないと思いますが、それでもたくましく・しなやかに乗り越えていくであろう築地場外市場の空気を吸いに行きたいなぁと思います。

 

築地──鮭屋の小僧が見たこと聞いたこと

築地──鮭屋の小僧が見たこと聞いたこと