「未解」のアフリカ:欺瞞のヨーロッパ史観(著:石川薫、小浜裕久)を読みました

ヨーロッパに「発見」されたアフリカの歴史を、アフリカ側から捉え直して解説した一冊。

世界史の資料集でチラッと目にするだけだったアフリカに存在していた諸帝国がどんな経済力を持っていて、それがどういう経過をたどってヨーロッパ諸国に組み伏せられていったのか、よく分かります。

サハラ砂漠を縦断する隊商路が複数走っていて、それが塩や金の交易でどのように栄えていたか。

奴隷貿易」がどれほどのインパクトを持っていたのか、銃を持ち込んだことがどう諸部族間のつぶし合いをもたらしたのか。

 

本書を読むと、ややもすればヨーロッパに「発見」されるまで空白であったかのような錯覚をしてしまうようなアフリカの見え方が一新されると思います。

オリエンタリズム」的な歴史観から自由になって、アフリカが持っていた本来の姿、可能性を知りたい方にお勧めの一冊です。

 

「未解」のアフリカ: 欺瞞のヨーロッパ史観

「未解」のアフリカ: 欺瞞のヨーロッパ史観