2016-10-01から1ヶ月間の記事一覧

「アメリカと宗教―保守化と政治化のゆくえ」(著: 堀内一史)を読みました

読了。 「レーガン大統領を誕生させ政治を保守化させてきた宗教右派は、W.ブッシュ大統領時代自分たちの理念の政治的実現に失敗して失望、指導者のスキャンダルや高齢化もあって2000年代半ば衰退した。代わって政治的にリベラルな宗教左派が台頭、2006年中間…

「宗教からよむ「アメリカ」」(著: 森孝一)を読みました

読了。アメリカ大統領選がちょっと違って見えるようになりました。 「1980年代のアメリカでは政治の保守化と新宗教右翼の政治参加の強まりが同時進行した。1960~70年代を通じて伝統的価値観や道徳観が崩れ去り、多くの人が「神のもとなる国家」アメリカへの…

「中東政治学」(著: 酒井啓子)を読みました

読了。中東諸国の諸事例を政治学的に分析することで中東は特殊であるという『中東例外論』を乗り越え、かつアラブ動乱を予見できなかった既存の中東政治学に新しい分析視覚をもたらすことを企図した一冊。 「中東諸国の政治過程には、①統治における公的制度…

「人工知能は敵か味方か」(著: ジョン・マルコフ)を読みました

読了。中東・イスラム本が続いた中、閑話休題的に。この本、タイトルの日本語訳がもったいない! 「コンピューターやロボットの開発は、人間およびその能力を代替するか(人工知能)拡張するか(知性の拡張)という正反対のアプローチの間を揺れ動いてきた。…

「【中東大混迷を解く】 サイクス=ピコ協定 百年の呪縛」(著: 池内恵)を読みました

読了。この内容で1,080円はお買い得ですわよ! 「中東混乱の根源とされるサイクス=ピコ協定は、諸民族がモザイク状に暮らし国民国家建設が難しいという同地域が元々抱える困難への対応策であった。同協定から100年、各国独裁政府の統治がアラブの春で揺らい…

「「イスラム国」の内部へ:悪夢の10日間」(著: ユルゲン・トーデンヘーファー)を読みました

読了。 「2014年12月、ISの招待を受けた筆者がラッカ・モースルを訪問したルポ。IS統治下の町の様子や、ムハンマド時代のイスラムに則った国を築くため集まってきたIS戦闘員とのやり取りが描かれる。ISを取り除くのは諸外国の軍事行動ではなく、宗派対立を乗…