2018-03-01から1ヶ月間の記事一覧

うしろめたさの人類学(著:松村圭一郎)を読みました

エチオピアがフィールドの人類学者である著者が、エチオピアと日本を行き来する中で感じた「違和感」を手掛かりに、より公平な世界に近づくために各個人がどう他者と対峙すればいいかを考察・提案している一冊。 著者によれば「国家」や「市場」は一見個人の…

勉強の哲学 来るべきバカのために(著:千葉雅也)を読みました

グローバル化が進んだり、社会が断片化したり、AIがどんどんヒトの領域に入りこんできたりして、バカ=「話が通じない相手」が増えることが見越される中、その陥穽に陥らないようにするために私たちはどういう姿勢で学ばなければいけないのかーーーを説いた…

脳の意識 機械の意識ー脳神経科学の挑戦(著:渡辺正峰)を読みました

脳神経科学の動向を追いつつ、人の意識はどこから生まれるのか?という自然則に迫った一冊。脳神経科学の歴史と動向を幅広くカバーしていて、新書にしてはとても盛りだくさんの内容でした。 *自然則とは、「光速度不変の法則」のように、現にそうなっている…

クラシック音楽とは何か(著:岡田暁生)を読みました

ながら作業がしやすいから、無音より集中できる時があるから、など、なんとなくの理由で聴くというより聞き流しているクラシック音楽。 そもそも定義は何なんだろう、ドラクエのテーマソングはオーケストラが弾いてるけどクラシックではないよなとか、そんな…

戦争調査会 幻の政府文書を読み解く(著:井上寿一)を読みました

戦後幣原喜重郎の下、日本人の手により開戦と敗戦の理由を検証しようと設置された戦争調査会。結果的にはGHQの命により、最終報告をまとめるに至らなかったが、同調査会の集めた資料をもとに、著者が分析の続きを試みた一冊。 同調査会が行った関係者へのイ…