2018-02-01から1ヶ月間の記事一覧

NEXTOKYO(著:梅澤高明、楠本修二郎)を読みました

DIVE DIVERSITY SUMMIT SHIBUYA 2017 の記事(「高機能すぎる都市」の問題点は? 再開発が進む渋谷で失いつつある“街の心地よさ” - ログミー)をネットで読んだのがきっかけで手に取った一冊。 タイトルの通り2020年のオリンピックを越えて東京がよりよい都…

ゲンロン0-観光客の哲学(著:東浩紀)を読みました

昨年末読んだ『弱いつながりー検索ワードを探す旅』で提示された「観光客」という概念について、哲学的に掘り下げて検討を加えている一冊。 現在の世界はグローバリズム(=経済的・帝国)とナショナリズム(=政治的・国民国家)が併存しており、私たちは両…

チョコレートコスモス(著:恩田陸)を読みました

文章によって他の芸術分野の心震える瞬間を描写するという恩田陸の「越境モノ」の(多分)先駆け的な小説。 演劇が題材の本作は、新国立劇場のこけら落としの公演のためのオーディションに参加した二人の女優を軸にストーリーが展開します。クライマックスの…

渋谷に必要なのは「空き地」

東京に大雪が降った日。たまたま渋谷の明治通りからタワーレコード方面に山手線ガードをくぐろうとしてびっくりしました。そこにあったはずの宮下公園がきれいさっぱりなくなっていたのです。 工事のフェンスの向こう側に普段は見えることのない景色が広がっ…

分裂と統合の日本政治(著:砂原庸介)を読みました

著者の2009年から2015年発表の論文を下敷きにまとめられた本書。 日本で二大政党制が定着しない理由、わけても野党が政党としてのまとまりを欠き脆弱である理由は、政党システムの制度化が追い付ていないことに求められ、具体的には二元代表制と単記非移譲型…

貧困の戦後史(著:岩田正美)を読みました

太平洋戦争以降の日本において貧困がどのように捉えられてきたのか、定量的なデータをひきつつも、そのあらわれ方・「かたち」により着目しながら変遷を追った一冊。 本書により『時代区分ごとに貧困をこのように捉えていた』という貧困の「かたち」を大まか…