2017-09-01から1ヶ月間の記事一覧

日本の長い敗戦ー敗戦の記憶・トラウマはどう語り継がれているか(著:橋本明子)を読みました

太平洋戦争の敗戦というトラウマを日本社会がどう乗り越えようとしているのか、その乗り越え方がどう安全保障政策や外交姿勢、国民の政府への信頼感に現れてくるのか分析した一冊。アメリカの大学で社会学の教鞭をとっている筆者が著した"The Long Defeat - …

わたしが正義について語るなら(著:やなせたかし)を読みました

ご存知アンパンマンの作者、やなせたかしさんの著作。 ポップなメロディーでなにげなく口ずさめてしまう「アンパンマンのマーチ」ですが、メロディーを外した歌詞だけ取り出してみると、結構厳しい問いを突きつけています。 なんのために生まれて なにをして…

アート×テクノロジーの時代 社会を変革するクリエイティブ・ビジネス(著:宮津大輔)を読みました

チームラボ、タクラム、ライゾマティクス、 ザ・ユージーン・スタジオという最先端技術を駆使してアート表現を生み出している4社がなぜそれほどまでに注目を集める作品を世に送り出すことができるのか、それぞれの作品制作の過程や、発想の仕方、組織運営方…

引き裂かれた道路ーエルサレムの「神の道」で起きた本当のこと(著:ディーオン・ニッセンバウム)を読みました

エルサレムに4年間駐在したウォールストリートジャーナル記者の著者が描いた、かつて東西エルサレムを分けていたアブトル地区・アサエル通り沿いに住む「普通の」人々の暮らしの様子。 アサエル通りを挟んで、西側にはユダヤ系の人々が、東側にはアラブ系の…

プラチナタウン(著:楡周平)、和僑(著:楡周平)を読みました 

東北のとある町を舞台にした地域再生の物語。 商社で穀物取引部門の部長を務めていた主人公が、あるきっかけで故郷の町の町長に就任し、財政再建団体転落目前の町を再生していく。 1冊目プラチナタウンでは、リタイア直後の人々をターゲットに、リタイア後の…

団地の話(編:東京R不動産)を読みました

「社会保障政策としての賃貸集合住宅」という概念がうっすら頭に残っていている時に、図書館の特集コーナーで団地×東京R不動産というワードに出くわし完全に「ジャケ借り」した一冊。 ちっちゃい本の中に、詩あり、小説あり、対談あり、写真集あり、団地をめ…

そろそろ、人工知能の真実を話そう(著:ジャン・ガブリエルガナシア)を読みました

日経の書評で見つけて読んだ本。タイトル(邦題)は、若干盛ってる感がします。どちらかというと原題のThe myth of the sinularityの方が内容をよく表していて、人工知能の真実というよりシンギュラリティ論の「神話性」を指摘した一冊です。 著者曰く、シン…

ヒルビリー・エレジー(著:J.D.ヴァンス)を読みました

自身その出身である著者が、自らの半生を振り返ることを通してつづった、アメリカ東部アパラチア山脈沿い一帯に暮らす白人労働者階級の暮らしぶり・価値観・文化的背景の自伝的ルポ。 祖母・祖父や姉・叔母など親類に守られ自身は最終的にイエール大学の法科…