2016-09-01から1ヶ月間の記事一覧

「となりのイスラム 世界の3人に1人がイスラム教徒になる時代」(著: 内藤正典)を読みました

読了。数年間バングラデシュに通っておぼろげに感じていたことが「なるほど、そういうことか!」とすっきりする説明がいっぱいありました。 「イスラムとは唯一絶対の神アッラーに従うことで、実践的な宗教である。にも関わらずムスリムはイスラムの教えに沿…

「子どもの難問」(編著: 野矢茂樹)を読みました

読了。これは第一印象通りの良書でした!子ども向け本棚に絶対配架する。 「なぜ生きてるんだろう?考えるってどうすればいいの?やさしくするってどうすること?など素朴で深遠な22の問いに、各2人の哲学者が回答する。元々子ども向けの連載企画で、限られ…

「「暗黒・中国」からの脱出 逃亡・逮捕・拷問・脱獄」(著: 顔伯鈞)を読みました

読了。 「中国の民主化と憲政の確立を求め、「公盟」という改革団体の活動に参画した元共産党エリート学者の、当局からの弾圧と2年間に及ぶ逃避行の手記を編訳した一冊。まるでスパイ映画のような逃亡劇もさることながら、原著者によるあとがきの中国の現状…

「あたらしい名前」(著: ノヴァイオレットブラワヨ)を読みました

読了。 「ムガベ大統領独裁下のジンバブエからアメリカに移住したある少女の目線を通じ、ニュースで報じられたような出来事はジンバブエの普通の人々の生活の文脈からはどう見えていたのか、祖国からも移住先からも切り離された「移民」がアメリカで感じる宙…

「オリエントの嵐―中東現代史」(著: J.ブノアメシャン)を読みました

中東三部作、これにて読了。 「1950年代のアラブ各国は、アラブの統一を目指す一方、国民国家としての独立性を保持したいという相克を抱えていた。この相克につけこむ形で、イスラエルの建国や、石油・スエズ運河利権、東西冷戦といった利害を抱える英仏米ソ…

「砂漠の豹イブン・サウド―サウジアラビア建国史」(著: J.ブノアメシャン)を読みました

読了。ブノアメシャン中東三部作、第二作目。 「純化したイスラムへの回帰とアラビア半島への浸透を志すワハブ派の末裔として、イブン・サウドは部族間抗争を鎮め、メッカの守護者となりアラビア半島を統一、サウジアラビアを建国した。建国後は元来自由な遊…

「灰色の狼ムスタファ・ケマル―新生トルコの誕生」(著: J.ブノアメシャン)を読みました

読了。 「建国の父ムスタファ・ケマルは、瓦解するオスマン帝国からトルコ共和国を誕生させるため、西欧列強の圧迫を跳ね返し、社会・経済的に過重なくびきとなっていたイスラムを脱し、近代国民国家にふさわしい国土・国民・社会・経済基盤を築くという偉業…

「ビ」(著: 大竹伸朗)を読みました

読了。 ソウルメイトとも言うべき友が二人ともはまったアーティストにつき、ひとまず著書を拝読。そして芸術家のビ(美)に関するエッセイを要約するなんて全くおこがましい限りですが、超要約にチャレンジ。 「私が美しいと感じる、制作衝動を引き起こされ…

「自由からの逃走」(著: エーリッヒ・フロム)を読みました

読了。今回から、スゴみじの要約に挑戦! 「近代化を経て人は昔ながらの束縛から解放され自由になったが、同時に経済・社会組織の大きさの前に無力感や孤独を抱えている。無力感や孤独感に耐えきれない人は、個性を捨て依存に逃避する。自由を個性化に資する…