2019-07-01から1ヶ月間の記事一覧

暇と退屈の倫理学(著:國分浩一郎)を読みました

なぜ人は退屈するのか?退屈とどう付き合っていけばいいのか?という問いに向き合った本。退屈の起源を系譜学によって辿ったり、経済史の中での退屈の位置づけの変遷を見たり、ハイデッガーやユクスキュルを引きながら哲学的に考究したりしています。 人は高…

一般意志2.0(著:東浩紀)を読みました

2009年から2011年の春にかけて1年半、講談社の広報誌に連載した論考をまとめた本。それはつまり東日本大震災が起こる同月の頭に連載が終了したということなのですが、一見極めて突飛に見える新しい民主主義の可能性を模索したこの論考は、著者曰くまさにあの…

國分功一郎さんと山崎亮さんの対談を読みました

「来るべき民主主義」に続けて國分功一郎さんの著作を読んでいたところ、まるで山崎亮さんとの連続対談を視聴しているかのような読書体験になりました。 1冊目の「民主主義を直感するために」は、2010年以降の國分功一郎さんの評論集。その後半の対談の一章…

来るべき民主主義(著:國分功一郎)を読みました

本書の副題にもなっている小平市都道328号線計画の見直しを求める市民活動に参加した著者が、その体験もふまえて近代政治哲学の源流にさかのぼって民主主義に再考察を加えた一冊。 小平市都道328号線をめぐる詳しい経緯は本書にゆずりますが、50年前に策定さ…

民主主義にとって政党とは何か(著:待鳥聡史)を読みました

本書に先立つこと2冊、戦前日本のポピュリズムとメディアの関係に関する本を読んでいました。そこで語られていたことは、政党政治をバイパスすることは、権力による大衆の操作を容易にする危険性があるということでした。 uchiyamatakayuki.hatenablog.com …