2016-08-01から1ヶ月間の記事一覧

「「空気」と「世間」」(著: 鴻上尚史)を読みました

読了。 地域・企業と続いてきた同質性を前提とした共同体=「世間」を支えてきた原理が部分的に崩れて流れているのが「空気」ではないか、というのが鴻上さんのご指摘です。 もはや完全な共同体たる「世間」は戻って来ないのに、「空気」に共同体の匂いを求…

「VRビジネスの衝撃―「仮想世界」が巨大マネーを生む」(著: 新清士)を読みました

読了。 タイトルはちょっとあおりぎみですが、コンパクトにまとまっていて読みやすかったです。「バーチャル」の捉え方が、日本(仮想に重きがおかれる)と海外(実質的に現実)で違っていて、それがプロダクトにも反映されているという指摘は興味深かったで…

「オリエンタリズム」(著:エドワード・W.サイード)を読みました

読了。(上巻も) 最近中東のことをちゃんと勉強しなおそうと思っておりまして、その一環での選書。ヨーロッパ・アメリカにおける「東洋」についての言説を、小説から旅行記、学術論文にいたるまで幅広く分析し、「東洋」がいかに「西洋」とは異質の(そして…

「<中東>の考え方」(著: 酒井啓子)を読みました

読了。 何かと大国の「対象」として描かれがちな中東の近現代史を中東側の視点から紡ぎ直した本書。国際政治の本史の中で断片化して顔を出す中東各国の歩みを通史として見る視点が貴重なとってもオススメの一冊です。 2010年4月に上梓された本書ですが、最終…

「シグナル&ノイズ 天才データアナリストの「予測学」」(著: ネイト・シルバー)を読みました

読了。 ファイブサーティエイトという選挙に関する予測システム(サイト)を作りオバマ大統領の当選をぴたりと当てた著者の予測論。予測の権威が裏付けとなる因果関係の考察の重要性を指摘していた下記一節が印象深かった。 ーーーーーーーーーーーーーーー…

「「空気」の研究」(著: 山本七平)を読みました

読了。 なぜ日本人の思考は「空気」に流されるか?を考察した一冊。 日本人は、人であれモノであれ特定の対象に重ねたイメージを固定化してしまい、かえってその対象に自分の思考・判断をしばられてしまう、というのが「空気」に流された状態。なぜそうなる…

「ピンクとグレー」(著: 加藤シゲアキ)を読みました

読了。 図書館の返却本棚で偶然見かけて、お、これジャニーズの彼の小説じゃんと、お手並み拝見的なノリで。 ストーリーのテンポというかリズムというかがよく、結果思わず2日で読み切りました。それだけ息もつかず読ませるウマい小説だったということです。…

「アースダイバー」(著: 中沢新一)を読みました

読了。 ずっと前に薦められた本でしたが、『建築の大転換』をきっかけに同じ著者のこの本もついで読み。はるか昔、縄文時代の地形が今の東京各地の土地利用にどう影響を与え続けているかを考察・解読した一冊。 江戸前が海だったように、昔の東京は海と川が…