2018-01-01から1ヶ月間の記事一覧

中庭の出来事(著:恩田陸)を読みました

『蜜蜂と遠雷』で久しぶりに読んで、同じような作品があるよと勧められた『チョコレートコスモス』を待つ間に読んだ一冊。 舞台をテーマにした本作、『蜜蜂と遠雷』と同じく、というか、より一層重層的でフラクタルな構造の小説だなぁと感じました。 演劇作…

空間の使い方を考える本5冊を読んで考えたこと

昨年から続いている探究の大テーマは、あまりに断片化が進む社会/世界が怖くって、どうやって共通の地平を持つ/作ることができるのだろうか?ということ。 正義論シリーズに続いて箸休め的に読んだつもりの関係人口関連の本も、人は複数地点にどう関りを持…

関係人口をつくるー定住でも交流でもないローカルイノベーション(著:田中輝美)を読みました

東京にいても島根や地域づくりのことを学べるという「しまコトアカデミー」をケースに、 移住・定住のみを目指さず、多様な関わりしろを提示し、地域の課題・人と地域外の人をつなげられる関係案内所こそが今必要である、というのが本書のメインの主張。 人…

ライフ・プロジェクト(著:ヘレン・ピアソン、みすず書房)を読みました

イギリスで実施されてきた第1次から5次(1946年、1958年、1970年、1991年、2000年の各年生まれを対象)にわたる「コホート研究」の歴史、時の政権から受ける影響、逆に時の政策に及ぼした影響をたどったドキュメンタリー。 イギリスでは、同時期に生まれた子…

<弱さ>のちから ホスピタブルな光景(著:鷲田清一、講談社学術文庫)を読みました

弱いロボットの思考で引用されていたのがきっかけで手に取った本書。 尼僧や障碍者作業施設の運営者に始まり、ダンスセラピストや華道家、果ては風俗嬢まで、さまざまなケアの実践者へのインタビューを行った著者は、さらけ出された弱さに思わず手を差し出し…