2019-03-01から1ヶ月間の記事一覧

神様のカルテ0(著:夏川草介)を読みました

神様のカルテシリーズ、3巻まで進んだ後に発刊された本書。一止たちが医学生だった頃や、研修医時代など、シリーズが始まる前の前史を綴った短編集でした。 他3冊と同じく、本書もやはりストーリー・文章ともに素晴らしかったです。 シリーズのタイトルをそ…

セメントの記憶(監督・脚本:ジアード・クルスーム)を観ました

昨日、公開初日に観てきました。 破壊が続く故国シリアを逃れ、復興の建設ラッシュに沸くレバノンで働く移民労働者の苦難を描いた映画です。 配給会社や観客の方からは詩的な映像美との賛辞が送られてましたが、自分としてはぴんと張り詰めた画という印象で…

日本の夜の公共圏:スナック研究序説(著:谷口浩一、スナック研究会)を読みました

「スナック」とはいかなる社会空間かを、法学・政治学・文学等の研究者たちが各々の専門分野の視点から考察した一冊。スナックがどのような法規制の下今あるような業態にたどりついたのか、また開業・経営に当たってはどのような届出や基準を求められるのか…

美容整形というコミュニケーションー社会規範と自己満足を越えて(著:谷本菜穂)を読みました

なぜ人は美容整形を受けるのか? 一般的には社会規範(美しくあるべき、という社会〔特に異性〕からの圧力)によるという見方と、当該個人が身体改変を通してアイデンティティを再構築しようとしているという見方がなされてきました。 しかし著者自身の先行…

地元がヤバい…と思ったら読む 凡人のための地域再生入門(著:木下斉)を読みました

家業を畳みに地元に帰った主人公が気付くと実家の再生・地元の活性化に奔走するというストーリー仕立てで、地域再生に取り組む上での心構えや留意点を伝えている本。ストーリー自体は若干出来すぎの感もするものの、その分展開が早くてすいすい読み進められ…

恋文の技術(著:森見登美彦)を読みました

大学院の研究のため、大学のあった京都から石川県の研究所に1人”飛ばされた”守田一郎が、大学の後輩、先輩、元家庭教師の教え子らに送った手紙でストーリーが進んでいく書簡体の小説。書簡体小説は湊かなえの『告白』以来でしたが、どちらも傑作で、面白い小…

ファンベース(著:佐藤尚之)を読みました

なんと今や世界中の砂浜の粒の数より情報量が多いそうである。そうなると、単発型のの広告施策はおよそターゲットに届きにくくなっている。だからこそ、今後のセールスは既に関心を持ち、好ましく思ってくれているファンをベースに行うほうが有効である。(…