「対話のレッスン 日本人のためのコミュニケーション術」(著: 平田オリザ)を読みました

読了。

『芸術立国論』で言及のあった一冊。
これまた2000年前後の連載を書籍にしたものでした。

社会全体を駆動する大きな物語が失われ自分の幸せを自分で決めなければいけない今の社会だからこそ、生きてきた背景や考え方が違う個人が、それぞれの違いを認め合ったまま新しい価値を創造していく手段として「対話」が必要である、というのが本書のエッセンスと受け取りました。
15年前の連載ですが、内容は今にも通ずるものかと思います。

もともと親しい者同士がさらに情報交換を積み重ねる「会話」に対して、もともと違っていて分かりあえないことを前提にした他者同士が違いを乗り越えていくのが「対話」。
ゆえに「対話」が成立するには、参加する一人ひとりが、それぞれたしかな価値観や人生観をもってコミュニケーションに参加していなくちゃならない。
対話」ができたときにシビれる感じがするのはきっとそういうわけだからなんだなぁ。

次はもうちょっと最近の著作も読んでみよう。