「民藝とは何か」(著:柳宗悦)を読みました

2017年は柳宗悦さんの『民藝とは何か』からスタートしました。
外国から来るゲストを迎える上でも、日本らしい美意識・芸術って何だろう?というのは一度立ち止まって考えてみるべきポイントなんじゃないかと思います。 

 「民衆が日常的に使う工藝品が民藝である。民藝は、安価でありふれているからといって美しくないわけではない。むしろ無心に制作され、実用に供されるからこその健全な美が見られる。制作者名や価格などに縛られず、茶の湯の先駆者のように美を直感的に捉えなければならない。」(127字)

「民藝」という言葉、聞いたことはありましたが、こういう思想だったのね、というのは初めて知りました。本文自体は短いですが、入門書としてはまさに格好の一冊です。

「民藝品には実用に供されるからこそのシンプルで健全な美しさがある」という『用の美』の美意識は、シンプルだけど機能的というパタゴニアのプロダクト開発の思想と通じるところがある世界観だなぁと感じました。

 無印良品の食器類は現代の民藝品?とも思いましたが、時代背景のせいか、民藝品は各地の職人たちが共同で制作するものである、という定義があったので、厳密に言うと当てはまらないのかもしれません。
しかし、美意識の部分では近いものがあるような気がしていて、きっとそれが外国でも支持される理由なんじゃないかと思います。

精選した民藝品を展示している日本民藝館は、なんと駒場にあるそうで、全く知らなかった!
梅の咲くころに一度行ってみようかなっと。

 

民藝とは何か (講談社学術文庫)

民藝とは何か (講談社学術文庫)