恋文の技術(著:森見登美彦)を読みました

大学院の研究のため、大学のあった京都から石川県の研究所に1人”飛ばされた”守田一郎が、大学の後輩、先輩、元家庭教師の教え子らに送った手紙でストーリーが進んでいく書簡体の小説。書簡体小説湊かなえの『告白』以来でしたが、どちらも傑作で、面白い小説のジャンルだと思います。

 

実は守田一郎が手紙を送る宛先に著者である森見登美彦氏も出きていて、詳しくはネタバレっぽくなるので明かしませんが、フィナーレに向かって『恋文の技術』という小説を読んでいたはずの自分が手紙をやりとりしている登場人物たちのレイヤーにいつのまにか引き入れられている感覚に陥って、うまいなぁという感じでした。

文章も”飛ばされた”守田一郎のひねくれた感じが文面によく表れていて、テンポよく一気に読めます。

森見登美彦さんの作品は初めてでしたが、他も読んでみたいと思わせてくれる一冊でした。

([も]3-1)恋文の技術 (ポプラ文庫)

([も]3-1)恋文の技術 (ポプラ文庫)