インターネットの使い方
宇野常寛さんの著作を読んでいて、ネットとの付き合い方を変えようと考えさせられた章がありました。それはnanapi・古川健介(けんすう)さんとの対談です。
宇野常寛さんの考えるインターネットのポテンシャルを開く利用法
- 人間は自分が意識的に入力した言葉で検索している限りは何物にも出会えない
- 検索という文化から離れることで、インターネットは初めて他者性を取り込み、欲望をつくるものになるかもしれない
- 課題解決からスタートするのではなく(=検索文化)、コミュニケーションそれ自体が自己目的化すると、文化を生み出す前提となる「偶然性」を保証する
古川健介さんの「ポスト検索」の未来像
- アプリ単位のコミュニティ、直接的に自分の欲望に合ったアプリをダウンロードして、そこで自己完結してしまい、ウェブの海に出て不特定多数の人間とコミュニケーションするようなことはしなくなる
インターネットを、検索やSNS上のバズによる流入目がけて使うのではなく、開放的だが濃密なコミュニケーションをとる場所として使うことがその「文化生成力」のポテンシャルを解き放つ使い方だ、というのがここでの要点でした。
これは今著者の宇野常寛さんが始めようとされている「遅いインターネット」と通底するネット観だと思いました。
「遅いインターネット」でネットが具体的にどんな使われ方がされ、利用者にどんな価値がもたらされるのか、引き続き注目したいと思います。