「ジニのパズル」(著:崔 実)を読みました

読了。
99%はヒリヒリした感じですが、残り1%を経て読後感は清々しかったです。

「差別する日本人と差別に対し無為な朝鮮人双方にやりきれない想いを抱え、祖国に対する「革命」を試みた少女ジニの挫折と再生を描いた物語。日本の朝鮮学校からハワイを経て渡ってきたジニを、オレゴンの自然と人が優しく受けとめ癒していく。」(112字)

冒頭オレゴンの高校のシーンから始まって、日本の小学校、朝鮮学校(学年でいうと中学校相当)時代を経て、再びオレゴンに戻ってくるという全体の流れですが、主人公ジニはなんでこんなに投げやりなのかしら?という謎が読み進めるにつれて徐々に明らかになっていきます。

何があったんだろうというのと、それからどうなるんだろうというのと、ジニの溜めこんでいくやりきれなさとで、ヒリヒリ感にドライブされて一気に読み進めてしまいますが、最後の最後、ラスト数ページでジニがやっと再生を果たすと、ホッとするというかぱっと開けるというか、舞台となるオレゴンの雄大な自然の中に溶けていくような感じがします。

あいにく朝鮮学校に通う子と直接話したことはないのですが、ああこういう感じに見える子もいるんだろうなぁと感じました。

ジニのパズル

ジニのパズル