ヌヌ 完璧なベビーシッター(著:レイラ・スリマニ)を読みました
パリで暮らす若い夫婦の幼い子ども二人が殺害された ー子どもの世話はもちろんのこと、家事のサポートも存分にこなす完璧なはずのベビーシッターに。なぜこんな痛ましい事件が起きたのか、キャリアも含む両親それぞれの日常と、ベビーシッターの感情のすれ違いを追体験しながらストーリーは進んでいきます。
小説ではあるけれども、パリで暮らす今どきの若い家族の現実と、恐らく移民であろうベビーシッターの直面する困難・格差を窺い知ることができました。
共働きが必須になり、外国人労働者も増えていく東京のちょっと未来に、もしかしたらこういうすれ違いが生じるのかもしれないなと思わせるものがあります。
結末を冒頭で分かっているだけに、じわじわ破局に近づいていく感じに引き込まれるような小説でした。