「持続可能な資本主義」(著:新井和宏)、「なめらかなお金がめぐる社会。あるいは、なぜあなたは小さな経済圏で生きるべきなのか、ということ。」(著:家入一真)を読みました

一方は独立系投信・鎌倉投信の取締役、一方は(主に)クラウドファンディングサービス・CAMPFIREの社長と、違った立場のお二人ですが、立脚している問題意識は通底するものを感じました。

それは、どちらも効率性・規模を最大化しようとする資本主義のあり方に疑問を呈しているということ。

その対案として取り組まれているのが、鎌倉投信の場合が信頼をベースに「いい会社*」に長期投資するという運用姿勢であり、CAMPFIREの方が資金調達を簡単にして小さな経済圏の形成を促すという金融包摂の拡充です。

 

*「いい会社」とは自社のミッションを積極的に拡大解釈して、ステークホルダーの幅を広げ、そのステークホルダーと価値を創造し分かち合っている会社のこと。

 

零細企業の代表としては、事業を、会社を、どう組み立てていくか、深く考えさせられる2冊となりました。

よくよく考えて思いあたったのは、その人にしかできない旅行の企画というのは、個人が小さな経済圏を築く一手段となりえるし、それは旅行先にとっても新しい来訪の形が増えて喜ばれるかもしれない、ということ。

人数・回数が多くなくても、「好き」という個人的な好みや思い入れが形になって、それに共感した人が集まるグループというのは、旅先の土地と一回だけではない、継続的なかかわりができる可能性もあるんじゃないだろうか、という希望的観測も。

あとは何となく社内で抱えている業務も、どう切り分けて、誰にどう担ってもらうと、全体として生み出せる価値が上がるのか、とかも検討の余地がありそうです。

 

大きくて長いものから飛び出す自由が、良くも悪くも増えた今だからこそ、小さくてもgoodな経済的生態系をどう作るか考えるヒントになる本でした。

 

持続可能な資本主義

持続可能な資本主義