2017-01-01から1年間の記事一覧

孤独と不安のレッスン(著:鴻上尚史)、学問と「世間」(著:阿部謹也)を読みました

10~15年前出版の「世間」と個人についての本を読みました。 その後ネットが拡がって、SNSが出てきて、ニュー世間みたいになってるけど、基本は自分は自分、ってことなんだろうなぁ。

これはドラマか、現実か~リゾートホテルのスイートルームで演劇鑑賞

リゾートホテルのスイートルームで観劇という突拍子もない企画のコーディネーションに関わりました。 足を伸ばして損はないプログラムです。演劇・アートの新しい棲み家を垣間見たい方、ぜひお越しください。 ======================…

それでも、日本人は「戦争」を選んだ(著:加藤陽子)を読みました

近代日本が戦った4つの戦争とは何だったのか―。 戦争と社会契約・憲法の関係を説きつつ、中高生と対話を重ね、共に考察し解き明かした講義録の一冊。 改憲議論が高まる中、庶民として知っておいた方がいい一つの歴史的な見方が提示されていました。

「蜜蜂と遠雷」(著:恩田陸)を読みました

本書を“ギフト“とするか、“災厄“とするか。それは、私たち次第である―。 温かくも熱い作品だったのではないかと推測していますが、果たして。

ブロックチェーンの衝撃(著:ビットバンク株式会社&『ブロックチェーンの衝撃』編集委員会)を読みました

破壊的テクノロジーといわれるブロックチェーンですが、実際どこまで浸透し破壊的影響を及ぼすかは、それを社会インフラとしてどれだけ受け入れられるかという、ユーザーおよび社会制度の側の問題であるようです。

世界正義論(著:井上達夫)を読みました

シリアへの空爆、北朝鮮への対応など、国際社会では何を正義とすべきか考えさせられる場面がとても多い今日この頃、実にタイムリーな一冊でした。

瞬間を生きる哲学<今ここ>に佇む技法(著:古東哲明)を読みました

まだ来ぬ未来のために今を見失うのはもったいない。そもそも時はリニアーに流れるものではなく、瞬間瞬間が不断に生起しているので、未来は今の延長線上にはない。 アリとキリギリスで言えばキリギリスの方が正しかったのか!?

「生きづらさ」について-貧困、アイデンティティ、ナショナリズム(著:雨宮処凛・萱野稔人)を読みました

今から10年前、2007年11月~12月にされた対談をまとめた一冊。非正規雇用ゆえの所属の不安定さ→社会的承認の不足(欠如)→ナショナリズムへの一種逃避という流れがあったことを、実体験も交えつつ解き明かしています。 「終身雇用が崩壊し流動化した日本社会…

観劇のあとさき

演劇は好きなんです。でも終幕後にそそくさと帰るのにはワケがあってだな…

シリア難民(著:パトリック・キングスレ-)を読みました

素晴らしいルポであればあるほど、これが現実に今起きていると思うといたたまれなくなる、そんな本です。 「あるシリア人難民のスウェーデンへの旅程を追いつつ、ヨーロッパを目指す難民が直面する現実を描いた一冊。難民はどれだけ危険でもそれがましな選択…

介入のとき-コフィ・アナン回顧録【上】・【下】(著:コフィ・アナン)を読みました

1997年~2006年、国連事務総長を務めたコフィ・アナン氏の回顧録。次から次に起こる人道危機に際し、内紛当事国のトップや安保理常任理事国の首脳・外相との息の詰まるような協議・交渉の様子が生々しく描かれています。 「コフィ氏は、国連を構成メンバーた…

デジタル・ゴールド(著:ナサニエル・ポッパー)を読みました

ビットコインの誕生から2014年頃までの紆余曲折を、関わった人々の群像劇的に描いた一冊。これだけの内容を説明調でなく、物語としてまとめたのがとても秀逸だと思います。記憶に残っているのはマウント・ゴックスくらいでしたが、あの破綻劇がどんな文脈で…

大卒無業女性の憂欝(著:前田正子)を読みました

取り上げられているケース・データや背景の考察が関西に偏っており、全国的に大卒無業女性がどうなっているのか、という全体像はつかみきれませんでした。正直、タイトルはちょっと盛り気味かもしれません。 ※関西で大卒無業女性が多いと主張されていますが…

テクノロジーは貧困を救わない(著:外山健太郎)を読みました

著者はマイクロソフト・リサーチ・インドの共同設立者。テクノロジーは貧困問題の解決に寄与しうるのか/そうではないのか、寄与しうるとしたら/寄与できないとしたら、それはどんな条件の時なのかをリサーチしてきた経験をまとめ、考察したのが本書です。 …

仕掛学(著:松村真宏)を読みました

もともと人工知能の研究者だった著者が、データ化されていない事象の多さに直面し、データに頼らず人の行動を促すにはどうしたらいいか思い悩んでたどりついたのが「仕掛け」。 例えば、問題解決につながる行動を促す「仕掛け」として、男性用便器の的や、駐…

日本会議の研究(著:菅野完)と神道の入門書を読みました

裁判沙汰にもなった話題作「日本会議の研究」。2度目は読まないだろうと思い、図書館で延々待ってようやっと読みました。 随分待ったので、その間に神道の入門書で予習してみました。 去年仏教の本は何冊か読みましたが、そういえば神道の成りたちとか教義と…

最後の秘境東京藝大-天才たちのカオスな日常(著:二宮敦人)を読みました

東京藝大在学中の妻を持つ著者が、藝大生・OB/OGへのインタビューを重ねてつづった一冊。 優雅で折り目正しい音楽学部”音校” 、バンカラで自由な美術学部”美校”と、両学部での藝大生の生態は一見対照的だが、その奥底には「アートから離れたくても離れられな…

<インターネット>の次に来るもの-未来を決める12の法則(著:ケヴィン・ケリー)を読みました

著者は元ワイアードの編集長。今現在インターネットやコンピューティングについて作用している技術的傾向を分析・分類し、それが今後どのような帰趨をもたらすか、避けがたい未来(原題は THE INEVITABLE)はどのような姿かを素描した一冊。 「自分も自分を…

LIFE SHIFT(著:リンダ・グラットン、アンドリュー・スコット)、自分の時間を取り戻そう(著:ちきりん)を読みました

急ぎのそこそこ重要な案件に追われるあまり、急ぎじゃないとっても重要な案件に手がつけられていないんじゃないかーー。そんなそこはかとない不安をじわじわ感じることってないですか?自分にはあるのです、時々。いや、実は結構ひんぱんに。 そういうときい…

「アラー世代: イスラム過激派から若者たちを取り戻すために」(著:アフマド・マンスール)を読みました

ドイツでソーシャルワーカーとして、イスラム過激派に走りそうな(走った)子を持つ親たちの相談に乗ったり、学校に出向いてワークショップを行ったりしている著者が、なぜ子どもたちが過激派に取り込まれるのか、それを予防し取り戻すためになにをすべきか…

「移動」の未来(著:エドワード・ヒュームズ)を読みました

ドア・トゥー・ドアが当たり前になった今の「モノの移動」の話から、既存のインフラ・移動手段の限界、ライドシェアがもたらす「ヒトの移動」の変化、そして自動運転車の破壊的影響まで、広く目配りが行き届いた一冊です。 ベースになっているのはアメリカの…

TED TALKS(著:クリス・アンダーソン)を読みました

トークイベントの作り方の参考にと思った一冊でしたが、内容は登壇者のトークの作り方・心構えについて書かれた本でした。 「パブリックスピーキングは聴衆の頭に新しいアイデアを植える贈り物のようなものだ。それを効果的に行うハウツーは色々あるが、最も…

「外来種は本当に悪者か?」(著:フレッド・ピアス)を読みました

むむー、またしてもフレッド・ピアスにやられた!生態系、環境保護についてもっていた古い先入観をアップデートしてくれる良書でした。 「外来種は既存の生態系を乱す悪者扱いされる。しかし生態系は元々変化を常とするダイナミックなもので、あるべき元の自…

「日本の家屋と生活」(著:ブルーノ・タウト)を読みました

年明けてから日本の民家についての本を立て続けに読んでいたのですが、本書で一区切り。 「1933~36年日本に滞在した著者が、日本の建築特に民家の特徴と背景にある文化・生活を、個人的経験という形で論じた書。自然と親しみ質素なことが日本本来の生活・建…

「民藝とは何か」(著:柳宗悦)を読みました

2017年は柳宗悦さんの『民藝とは何か』からスタートしました。外国から来るゲストを迎える上でも、日本らしい美意識・芸術って何だろう?というのは一度立ち止まって考えてみるべきポイントなんじゃないかと思います。 「民衆が日常的に使う工藝品が民藝であ…