「持続可能な資本主義」(著:新井和宏)、「なめらかなお金がめぐる社会。あるいは、なぜあなたは小さな経済圏で生きるべきなのか、ということ。」(著:家入一真)を読みました

一方は独立系投信・鎌倉投信の取締役、一方は(主に)クラウドファンディングサービス・CAMPFIREの社長と、違った立場のお二人ですが、立脚している問題意識は通底するものを感じました。 それは、どちらも効率性・規模を最大化しようとする資本主義のあり方…

RED―ヒトラーのデザイン(著:松田行正)を読みました

ヒトラーが大衆操作に用いたデザインを解説した書。 ナチ党のシンボル・ハーケンクロイツの運用だったり、ポスターのアングル・陰影の使い方だったり、直線的な設計だったり、過去に成功した事例とモダニズムの要素(モダニズムそのものは嫌悪していたらしい…

<弱いロボット>の思考ーわたし・身体・コミュニケーション(著:岡田美智男)を読みました

ごみを集める、他愛のない会話を続ける、など人間と共同で何かをするロボットの製作を通じて人間のコミュニケーションの特徴を研究する著者の本。人工知能、ロボット、自己、コミュニケーションデザイン、身体性、引き算のデザイン、余白、共有された志向性…

ボコ・ハラムーイスラーム国を超えた「史上最悪」のテロ組織(著:白戸圭一)を読みました

元毎日新聞記者の著者の手による、少女200人以上を誘拐し世界に衝撃を与えたボコ・ハラムの誕生から今日に至るまでの系譜を追った本。 ================ ナイジェリアは、人口成長率が経済成長率を上回りひとりあたりGDPが下がるような経済…

日本の長い敗戦ー敗戦の記憶・トラウマはどう語り継がれているか(著:橋本明子)を読みました

太平洋戦争の敗戦というトラウマを日本社会がどう乗り越えようとしているのか、その乗り越え方がどう安全保障政策や外交姿勢、国民の政府への信頼感に現れてくるのか分析した一冊。アメリカの大学で社会学の教鞭をとっている筆者が著した"The Long Defeat - …

わたしが正義について語るなら(著:やなせたかし)を読みました

ご存知アンパンマンの作者、やなせたかしさんの著作。 ポップなメロディーでなにげなく口ずさめてしまう「アンパンマンのマーチ」ですが、メロディーを外した歌詞だけ取り出してみると、結構厳しい問いを突きつけています。 なんのために生まれて なにをして…

アート×テクノロジーの時代 社会を変革するクリエイティブ・ビジネス(著:宮津大輔)を読みました

チームラボ、タクラム、ライゾマティクス、 ザ・ユージーン・スタジオという最先端技術を駆使してアート表現を生み出している4社がなぜそれほどまでに注目を集める作品を世に送り出すことができるのか、それぞれの作品制作の過程や、発想の仕方、組織運営方…

引き裂かれた道路ーエルサレムの「神の道」で起きた本当のこと(著:ディーオン・ニッセンバウム)を読みました

エルサレムに4年間駐在したウォールストリートジャーナル記者の著者が描いた、かつて東西エルサレムを分けていたアブトル地区・アサエル通り沿いに住む「普通の」人々の暮らしの様子。 アサエル通りを挟んで、西側にはユダヤ系の人々が、東側にはアラブ系の…

プラチナタウン(著:楡周平)、和僑(著:楡周平)を読みました 

東北のとある町を舞台にした地域再生の物語。 商社で穀物取引部門の部長を務めていた主人公が、あるきっかけで故郷の町の町長に就任し、財政再建団体転落目前の町を再生していく。 1冊目プラチナタウンでは、リタイア直後の人々をターゲットに、リタイア後の…

団地の話(編:東京R不動産)を読みました

「社会保障政策としての賃貸集合住宅」という概念がうっすら頭に残っていている時に、図書館の特集コーナーで団地×東京R不動産というワードに出くわし完全に「ジャケ借り」した一冊。 ちっちゃい本の中に、詩あり、小説あり、対談あり、写真集あり、団地をめ…

そろそろ、人工知能の真実を話そう(著:ジャン・ガブリエルガナシア)を読みました

日経の書評で見つけて読んだ本。タイトル(邦題)は、若干盛ってる感がします。どちらかというと原題のThe myth of the sinularityの方が内容をよく表していて、人工知能の真実というよりシンギュラリティ論の「神話性」を指摘した一冊です。 著者曰く、シン…

ヒルビリー・エレジー(著:J.D.ヴァンス)を読みました

自身その出身である著者が、自らの半生を振り返ることを通してつづった、アメリカ東部アパラチア山脈沿い一帯に暮らす白人労働者階級の暮らしぶり・価値観・文化的背景の自伝的ルポ。 祖母・祖父や姉・叔母など親類に守られ自身は最終的にイエール大学の法科…

愚者の黄金(著:ジリアン・テット)を読みました

過度の専門分化が招く問題を提起した「サイロ・エフェクト」の著者、ジリアン・テット氏の前著。(というか、たぶん世間的には「サイロ・エフェクト」が本書「愚者の黄金」の次著なんでしょうが、、、) 2008年の金融危機の実相とか、新聞で読んでた以上の内…

中国モノマネ工場ー世界ブランドを揺さぶる「山塞革命」の衝撃(著:阿甘、生島大嗣、徐航明)を読みました

ブランド携帯の模倣・コピーから始まった「山塞」携帯の躍進をきっかけに、大陸中国では徹底した分業とマーケット密着、少量多品種のプロダクトを早いサイクルで投入するという「山塞」モデルが広がっていっている。この「山塞」モデルは、こと国営企業が幅…

自民党ー「一強」の実像(著:中北浩爾)を読みました

タイトルこそ「自民党」と銘打たれていますが、単にひとつの政党の正体を暴くというような本ではなく、1990年代からの一連の政治改革の意味や、政策立案(という名の陳情処理)過程など、学校では教わってこなかった政治のリアルまでバランスよくカバー…

人々の声が響き合うときー熟議空間と民主主義(著:ジェイムズ・S・フィシュキン)を読みました

齋藤純一氏著の「不平等を考える」 で見かけた「熟議民主主義」の親玉っぽい本と目して手に取った一冊でした。 現実の政治に自らが及ぼせる影響がほぼないと考えられるとき、政治的イシューに関心を寄せ情報収集したり考察したりする苦労はどうせ報われない…

生活保障ー排除しない社会へ(著:宮本太郎)、共生保障ー<支え合い>の戦略(著:宮本太郎)を読みました

齋藤純一さんの「不平等を考える」で言及されていたことがきっかけで読み始めた2冊。 夫が働き妻が家族のケアをするといういわゆる標準家庭を前提に、各種補助金や公共事業など主に供給サイドへのテコ入れで経済成長と雇用の確保、さらには企業内での人材育…

2020年人工知能時代 僕たちの幸せな働き方(著:藤野貴教)を読みました

読後の感想は一言「やはり」である。何がって、やはり自分は彼に、彼の本拠地・幡豆で会いたい。どういう道のりでここにたどり着いたのか。ここからどこに向かおうという「意思」をもっているのか。 もともと面白そうなことやっているな、というのはSNSで見…

「接続性」の地政学(著:パラグ・カンナ)を読みました

本書での著者パラグ・カンナの主だった主張を要約するとこんな感じになります。 ======================= 21世紀、これからの世界中の人々の繁栄は、サプライチェーンにかかっている。メガシティを含む都市が基本的な経済の単位にな…

暗い時代の人々(著:森まゆみ)を読みました

丸山真男の「日本の思想」を読んだときに、なぜこんなに文学と政治と科学の三社関係が出てくるのか解せず、「そんなもんなのかー」と思っていた時に書評で目にして読むことにした一冊。満州事変(1930年)から太平洋戦争終結(1945年)までの最も精…

メノン(著:プラトン)を読みました

プラトンの対話編の一つ、メノンを読みました。 徳は教えられうるか?というメノンの問いに対し、ソクラテスはそもそも徳とは何か?を問い直し徳の定義を試みます。 自分が繰り出す定義をことごとく退けられ心が折れかけたメノンをソクラテスはこう言って励…

クラウド時代の思考術(著:ウィリアムパウンドストーン)を読みました

邦題よりも英語の副題の方が本書の内容をよく表しています。すなわち、簡単にググれる今の時代に物事を記憶することは大事なのだろうか?? 知識を得るための努力が、知識を得たことで手に入る見返りより大きいという合理的な無知がありうる。また脳は(調べ…

保守とは何か(著:福田恆存、編:浜崎洋介)を読みました

福田恆存氏のまとまった一冊の本かと思ったらさにあらず。いくつかの随筆をまとめた、短編集(?)的な書籍でした。 氏の保守観について直接言及しているのは、そのままズバリ、「私の保守主義観」というわずか5ページのごく短い小論。 いわく、保守とは、革…

不平等を考える:政治理論入門(著:齋藤純一)を読みました

確か日経新聞の書評で見かけたのが、本書を読もうとしたきっかけ。たまたま都議選直前のタイミングで手に入り、タイムリーで面白かったです。 本書は3部構成になっています。 第一部では平等な関係とは何かについて色んな基準(機会の平等、結果の平等、運の…

POWERS OF TWO二人で一人の天才(著:ジョシュア・ウルフ・シェンク)を読みました

「孤高の天才」というイメージは誤りであって、クリエイティビティやイノベーションは社会的つながりやネットワークから生まれる。最も分かりやすい例は二人組で、ビートルズしかり、アップルしかり、創造的な偉業は、相互補完的な二人組が成し遂げている。 …

日本の思想(著:丸山真男)を読みました

多分「保守主義とは何か?」を読んだ時に言及されていた一冊。日本には保守すべき機軸が確立してこなかったという指摘を、思想面で論じている本だろうと思って読みました。 曰く、日本人の中で、思想は、古いものが新しいものと対決せず、雑然と同居してしま…

なぜ僕たちは金融街の人びとを嫌うのか?(著:ヨリス・ライエンダイク)を読みました

知識ゼロから始めてその道のいろんな人にインタビューしながら理解を深め、核心に迫っていく様子を読者と共有するというスタイルで取材・執筆する著者。本書はロンドン、シティーを舞台に金融界をテーマに取材した2年間を追った記録です。 『ゼロ・トゥー・…

孤独と不安のレッスン(著:鴻上尚史)、学問と「世間」(著:阿部謹也)を読みました

10~15年前出版の「世間」と個人についての本を読みました。 その後ネットが拡がって、SNSが出てきて、ニュー世間みたいになってるけど、基本は自分は自分、ってことなんだろうなぁ。

これはドラマか、現実か~リゾートホテルのスイートルームで演劇鑑賞

リゾートホテルのスイートルームで観劇という突拍子もない企画のコーディネーションに関わりました。 足を伸ばして損はないプログラムです。演劇・アートの新しい棲み家を垣間見たい方、ぜひお越しください。 ======================…

それでも、日本人は「戦争」を選んだ(著:加藤陽子)を読みました

近代日本が戦った4つの戦争とは何だったのか―。 戦争と社会契約・憲法の関係を説きつつ、中高生と対話を重ね、共に考察し解き明かした講義録の一冊。 改憲議論が高まる中、庶民として知っておいた方がいい一つの歴史的な見方が提示されていました。