TRUST 世界最先端の企業はいかに<信頼>を攻略したか(著:レイチェル・ボッツマン)

前著「シェア」でシェアリング・エコノミーを提唱した著者の次著。シェアリング・エコノミーを可能にした「信頼」をめぐる革命がいかに起こっているのかを考察した一冊です。 「信頼」には、毎日顔を合わせるようなコミュニティ内に閉じた「ローカルな信頼」…

牛と土(著:眞並恭介)を読みました

東日本大震災の原発事故により避難区域に指定された土地で、政府からの殺処分命令に同意せず牛を飼い続ける牛飼いの姿を追ったルポルタージュ。 本書を読んで改めて感じたのは、”情報として知ること”と、”理解すること”は全くレベルが違うということ。 震災…

生きる技法(著:安富歩)を読みました

特に家族関係の悩みから、心身に不調をきたすほどの生きづらさを抱えた著者が、より生きやすく生きるための技法について15の命題を掲げている一冊です。 詳しくは本書に譲るとして、特に印象的だった命題3選は下記の通り。 「自立とは、多くの人に依存する…

地域が稼ぐ観光(著:大羽昭仁)を読みました

博報堂で文化人と旅をする”カルトラ”を立ち上げるなどし、のち独立した著者の経験を踏まえた地域×観光論。 タイトルにある通り、地域が観光を活性化する目的は「稼ぐこと」で、いくら人数だけを追いかけても仕方がない。地域にゲストを招き入れてお金を使っ…

経験経済(著:B・J・パインII、J・H・ギルモア)を読みました

提供するサービスの中身(WHAT)にしても、提供の方法(HOW)にしても、顧客の体験が全てといっても過言ではないな、と思いを新たにしていたところ、ジャスト・タイミングで友人から紹介され読んだ本。 なんとオリジナルは20年も前の著作ということ…

ユートロニカのこちら側(著:小川哲)を読みました

AIとプライバシーについてのEテレの深夜番組をたまたま観ていて、システムの力を見通しつつも人間性を諦めないような発言をされる著者を拝見し、「面白そうだな」と触手が伸びて手に取った本書。 著者が大学院在学中に上梓し、第3回ハヤカワSFコンテストで大…

間宮兄弟(著:江國香織)を読みました(再読)

誰かが読んでいるのをふと目にして読みたくなって手に取った本書。よくよく振り返ってみたら2014年に一回読んでいて、なんと再読でした。でも「あれ?そう言えば」と気づいたのは読み始めてからかなり経ってから 。 1回目読んだときの印象はそんなに強くなか…

スペキュラティブ・デザイン 問題解決から、問題提起へ(著:アンソニー・ダン、フィオーナ・レイビー)を読みました

副題の通り、デザインが違った未来のあり方についての想像を喚起するためにできること=スペキュラティブ・デザインについての考え方や事例を紹介した本。 既存のデザインのアプローチが、今あるニーズによく応える、商業的な、問題解決のためのものに偏って…

おもてなし幻想-デジタル時代の顧客満足と収益の関係(著:マシュー・ディクソン、 ニック・トーマン、 リック・デリシ )を読みました

日経の書評で見かけて、逆説的なタイトルに惹かれて読んだ一冊。 顧客ロイヤルティを高めるために顧客の期待を上回る対応をしようとすることは効果的ではなく、むしろ顧客対応の仕方を間違えると顧客ロイヤルティを損なうことになる。顧客は自己解決(セルる…

宗教は人を救えるのか(著:釈徹宗)を読みました

アサダワタルさんの『コミュニティ難民のススメ』を読んだときに、住み開きを本書が取り上げていたことがきっかけで巻末対談をされていたのを目にし手に取った一冊。 仏教が中心ですが、キリスト教やイスラム教その他の宗教も触れつつ、逃れられない苦しみや…

ボランタリー経済の誕生ー自発する経済とコミュニティ(著:金子郁容、松岡正剛、下河辺淳)を読みました

ボランタリー・エコノミー研究会の3年間の研究活動を総括する意味で、20年前の1998年に出版された本。 windows98がやっとリリースされ、ブラウザはネットスケープがまだインターネットエクスプローラーより優位だったという時代に書かれたことを考えると、と…

私とは何かー「個人」から「分人」へ(著:平野啓一郎)

アサダワタルさんの「コミュニティ難民のススメ」でリファーされていて読んだ一冊。 平野啓一郎さんと言えば『日蝕』書いた人くらいのイメージしかなかったのですが、小説を読むより先に論説から読むことになるとは思いませんでした。 しかも著者自身による…

日本史のツボ(著:本郷和人)を読みました

確か日経の書評で見かけて読んでみました。 一般的に歴史の勉強って、時代を輪切りにする同時代史的見方ですると思うのですが、本書は日本史の流れを押さえられるようテーマごとに通史的に見ていくところが特徴だと思います。 取り上げられているテーマは、…

世界のなかで自分の役割を見つけること(著:小松美羽)を読みました

なんででしょう、多分ネットサーフィンしててたまたま「へぇ、そういうアーティストがいるのね」と思ったのが、本書を手に取ったきっかけと思われます。 なので、ご本人の来歴も作品も一切知らないまま読んだのですが、人と人・人と見えない世界を魂でつなげ…

漂流郵便局:届け先の分からない手紙、預かります(著:久保田沙耶)を読みました

サブタイトルにもある通り、届け先の分からない手紙を預かる「漂流郵便局」は、もともと瀬戸内国際芸術祭の出展作として、廃止になった郵便局を設えなおして設けられたものでした。それが好評を呼び芸術祭終了後の現在も存続して手紙を受け入れ続けています…

ソーシャルアートラボー地域と社会をひらく(編:九州大学ソーシャルアートラボ)を読みました

鹿児島のゴルフリゾートでのアートイベント インターナショナルゴルフリゾート京セラ:ART VACATION 2018 in IGR の企画・構想に向けた材料集めをしているとき、同じ九州内で芸術文化領域を取り扱っている大学がないかしら?とリサーチして、行きついたのが…

コミュニティ難民のススメ(著:アサダワタル)、住み開き(著:アサダワタル)を読みました

生きることはそのまま丸ごと表現なのではないか?-そんなことを最近考えていて、「表現と仕事のハザマにあること」という副題に惹かれて『コミュニティ難民のススメ』を読んでみようと思いました。 で、せっかくなので先に世に出された多分ルーツ的なもので…

熱海の奇跡(著:市来広一郎)を読みました

言わずと知れた熱海再生の中心人物、市来さんの取り組みを振り返りまとめた一冊。 Maruyaの人、という入り口でしか存じ上げなかったのですが、熱海を「クリエィティブな30代に選ばれる街」にするため打ち手を重ねてこられたのだな、と初めて知りました。 客…

サブスクリプション・マーケティングーーモノが売れない時代の顧客との関わり方(著:アン・H・ジャンザー)を読みました

「サブスクリプション」を寄付やクラウドファンディングの時間軸を伸ばした一変形として捉えられないかな、と考えて興味を持っていたところ、見つけて読んでみた一冊。 タイトルの通りですが、どうやったらサブスクリプション型のビジネスを立ち上げられるの…

フーコーの美学:生と芸術のあいだで(著:武田宙也)を読みました

アートって何だろうということをぼんやり考えていた時に、人はそれぞれ形は違うけれども何かを表現しながら生きているんじゃないだろうか、いや、逆に全く同じ人が二人といないのであれば、生きていること自体すでに何らかの表現とも言えそうだよなと思うよ…

新築がお好きですか?日本における住宅と政治(著:砂原庸介)を読みました

日本の住まうことにかかるコストが高いのは、今の広義での「制度」的環境を前提とすると各主体の合理的選択として新築住宅を売買することが均衡点になる(そしてそこから逸脱すると不利を被る)からだ、ということを諄々と説いている一冊です。 広義の「制度…

新しい分かり方(著:佐藤雅彦)を読みました

Eテレ「ピタゴラスイッチ」の監修を手掛けていらっしゃる方の本と新聞の書評欄で見かけて読んでみた一冊です。 著者の佐藤雅彦さんは、電通ご出身でその後独立、メディアクリエーターとして多方面に活躍され(だんご三兄弟、バザールでござーるなど!)、今…

道徳感情論(著:アダム・スミス)を読みました

本書にも序文を寄せているアマルティア・センの著作で言及されていたのがきっかけで読んだ一冊です。ナイーブな合理的経済人を前提することが批判を受けることが多くなった昨今、市場主義や自由放任主義の元祖?のように言われるアダム・スミスは決してその…

贈与論(著:マルセル・モース)を読みました

新しいお金の話の本を読んだとき、お金を媒介した売買取引以外の交感について言及される中で取り上げられていたのがきっかけで本書を読みました。 贈与や交換が社会的にどのような意味を持っているのか、要素に分解することなくあくまで全体的な性質として説…

インド哲学10講(著:赤松明彦)を読みました

イスラムの本は昨年だいぶ読んだのですが、そういえばインド・ヒンドゥーの世界観ってあまり触れたことがないなと思い読んでみました。 インド哲学における「存在と認識」 の捉え方について解説している一冊です。 ざっくりとらえたところでは、インド哲学で…

Hit Refreshマイクロソフト再興とテクノロジーの未来(著:サティア・ナデラ)を読みました

Microsoftのサティア・ナデラ 現CEOによる同社のチェンジの状況と今後向かう道を示した一冊。いわゆるGAFAを向こうにまわして(完全に向こうにまわすわけではなく、「同じ顧客のために争い、同じ顧客のために尽くす旧来の仲間」と著者は仰っていますが)どう…

私はすでに死んでいるーゆがんだ<自己>を生み出す脳(著:アニル・アナンサスワーミー)を読みました

私あるいは自己とはどこからやってくるのか?という問いに、神経科学の知見によって切り込んでいく一冊。 <自己>がゆがむ各種障がいの分析を通じて、では正常に作動する自己とは何をしているのか?何がどう動いているのか?を明らかにしようとする章立ても…

一九八四年(著:ジョージ・オーウェル)、評価の経済学(著:デビッド・ウォーラー、ルパート・ヤンガー)を読みました

お金の未来の本を読んだときに、今後は評価や信用がお金にとって代わっていく、という方向性が示されていました。いわゆる評価経済や信用経済というやつです。 それを目にした時、直感的にそれは息苦しい世の中になってしまうんじゃないかなぁと思ったので、…

”お金”について考える本を読みました

直接の引き金はたまたま入った本屋でたまたま手にしたBrutusの「親・お金の、答え。」がぴったりきたことがきっかけですが、いわゆる”法定通貨”を価値貯蔵・交換手段として求め続けることが今後果たしてどこまで有効なのだろうか?というのはずっとモヤモヤ…

アメリカ大都市の生と死(著:ジェイン・ジェイコブズ)を読みました

創造都市の本を何冊か読むと必ず言及されていた本書。やっと読むことができました。 より人間的で活気のある都市空間を守ろうと、市民活動家として画一的な当局の都市開発と渡り合ってきた経験もふまえ、都市開発は何を目指しいかに進められるべきかを論じた…