日本史のツボ(著:本郷和人)を読みました

確か日経の書評で見かけて読んでみました。 一般的に歴史の勉強って、時代を輪切りにする同時代史的見方ですると思うのですが、本書は日本史の流れを押さえられるようテーマごとに通史的に見ていくところが特徴だと思います。 取り上げられているテーマは、…

世界のなかで自分の役割を見つけること(著:小松美羽)を読みました

なんででしょう、多分ネットサーフィンしててたまたま「へぇ、そういうアーティストがいるのね」と思ったのが、本書を手に取ったきっかけと思われます。 なので、ご本人の来歴も作品も一切知らないまま読んだのですが、人と人・人と見えない世界を魂でつなげ…

漂流郵便局:届け先の分からない手紙、預かります(著:久保田沙耶)を読みました

サブタイトルにもある通り、届け先の分からない手紙を預かる「漂流郵便局」は、もともと瀬戸内国際芸術祭の出展作として、廃止になった郵便局を設えなおして設けられたものでした。それが好評を呼び芸術祭終了後の現在も存続して手紙を受け入れ続けています…

ソーシャルアートラボー地域と社会をひらく(編:九州大学ソーシャルアートラボ)を読みました

鹿児島のゴルフリゾートでのアートイベント インターナショナルゴルフリゾート京セラ:ART VACATION 2018 in IGR の企画・構想に向けた材料集めをしているとき、同じ九州内で芸術文化領域を取り扱っている大学がないかしら?とリサーチして、行きついたのが…

コミュニティ難民のススメ(著:アサダワタル)、住み開き(著:アサダワタル)を読みました

生きることはそのまま丸ごと表現なのではないか?-そんなことを最近考えていて、「表現と仕事のハザマにあること」という副題に惹かれて『コミュニティ難民のススメ』を読んでみようと思いました。 で、せっかくなので先に世に出された多分ルーツ的なもので…

熱海の奇跡(著:市来広一郎)を読みました

言わずと知れた熱海再生の中心人物、市来さんの取り組みを振り返りまとめた一冊。 Maruyaの人、という入り口でしか存じ上げなかったのですが、熱海を「クリエィティブな30代に選ばれる街」にするため打ち手を重ねてこられたのだな、と初めて知りました。 客…

サブスクリプション・マーケティングーーモノが売れない時代の顧客との関わり方(著:アン・H・ジャンザー)を読みました

「サブスクリプション」を寄付やクラウドファンディングの時間軸を伸ばした一変形として捉えられないかな、と考えて興味を持っていたところ、見つけて読んでみた一冊。 タイトルの通りですが、どうやったらサブスクリプション型のビジネスを立ち上げられるの…

フーコーの美学:生と芸術のあいだで(著:武田宙也)を読みました

アートって何だろうということをぼんやり考えていた時に、人はそれぞれ形は違うけれども何かを表現しながら生きているんじゃないだろうか、いや、逆に全く同じ人が二人といないのであれば、生きていること自体すでに何らかの表現とも言えそうだよなと思うよ…

新築がお好きですか?日本における住宅と政治(著:砂原庸介)を読みました

日本の住まうことにかかるコストが高いのは、今の広義での「制度」的環境を前提とすると各主体の合理的選択として新築住宅を売買することが均衡点になる(そしてそこから逸脱すると不利を被る)からだ、ということを諄々と説いている一冊です。 広義の「制度…

新しい分かり方(著:佐藤雅彦)を読みました

Eテレ「ピタゴラスイッチ」の監修を手掛けていらっしゃる方の本と新聞の書評欄で見かけて読んでみた一冊です。 著者の佐藤雅彦さんは、電通ご出身でその後独立、メディアクリエーターとして多方面に活躍され(だんご三兄弟、バザールでござーるなど!)、今…

道徳感情論(著:アダム・スミス)を読みました

本書にも序文を寄せているアマルティア・センの著作で言及されていたのがきっかけで読んだ一冊です。ナイーブな合理的経済人を前提することが批判を受けることが多くなった昨今、市場主義や自由放任主義の元祖?のように言われるアダム・スミスは決してその…

贈与論(著:マルセル・モース)を読みました

新しいお金の話の本を読んだとき、お金を媒介した売買取引以外の交感について言及される中で取り上げられていたのがきっかけで本書を読みました。 贈与や交換が社会的にどのような意味を持っているのか、要素に分解することなくあくまで全体的な性質として説…

インド哲学10講(著:赤松明彦)を読みました

イスラムの本は昨年だいぶ読んだのですが、そういえばインド・ヒンドゥーの世界観ってあまり触れたことがないなと思い読んでみました。 インド哲学における「存在と認識」 の捉え方について解説している一冊です。 ざっくりとらえたところでは、インド哲学で…

Hit Refreshマイクロソフト再興とテクノロジーの未来(著:サティア・ナデラ)を読みました

Microsoftのサティア・ナデラ 現CEOによる同社のチェンジの状況と今後向かう道を示した一冊。いわゆるGAFAを向こうにまわして(完全に向こうにまわすわけではなく、「同じ顧客のために争い、同じ顧客のために尽くす旧来の仲間」と著者は仰っていますが)どう…

私はすでに死んでいるーゆがんだ<自己>を生み出す脳(著:アニル・アナンサスワーミー)を読みました

私あるいは自己とはどこからやってくるのか?という問いに、神経科学の知見によって切り込んでいく一冊。 <自己>がゆがむ各種障がいの分析を通じて、では正常に作動する自己とは何をしているのか?何がどう動いているのか?を明らかにしようとする章立ても…

一九八四年(著:ジョージ・オーウェル)、評価の経済学(著:デビッド・ウォーラー、ルパート・ヤンガー)を読みました

お金の未来の本を読んだときに、今後は評価や信用がお金にとって代わっていく、という方向性が示されていました。いわゆる評価経済や信用経済というやつです。 それを目にした時、直感的にそれは息苦しい世の中になってしまうんじゃないかなぁと思ったので、…

”お金”について考える本を読みました

直接の引き金はたまたま入った本屋でたまたま手にしたBrutusの「親・お金の、答え。」がぴったりきたことがきっかけですが、いわゆる”法定通貨”を価値貯蔵・交換手段として求め続けることが今後果たしてどこまで有効なのだろうか?というのはずっとモヤモヤ…

アメリカ大都市の生と死(著:ジェイン・ジェイコブズ)を読みました

創造都市の本を何冊か読むと必ず言及されていた本書。やっと読むことができました。 より人間的で活気のある都市空間を守ろうと、市民活動家として画一的な当局の都市開発と渡り合ってきた経験もふまえ、都市開発は何を目指しいかに進められるべきかを論じた…

黙殺 報じられない”無頼系独立候補”たちの戦い(著:畠山理仁)を読みました

一般的には”泡沫候補”と呼ばれるような立候補者たちの選挙戦の様子を記録したルポルタージュ。 普段有力候補以外の「その他」として、政策的な主張やその背景にある問題意識を詳しく伝えられることのない候補者にも、ひとりひとり立候補せずにいられない理由…

TOKYO 0円ハウス 0円生活・独立国家のつくりかた(著:坂口恭平)を読みました

前々から気になっていた坂口恭平さんの本を2冊読みました。 「ホームレス」と呼ばれる人たちがいかにクリエイティブに、そしてそれぞれの人にとって本質的と思える暮らしをしているかを体当たりでレポートした「TOKYO 0円ハウス 0円生活」と、政府が・市場が…

あそびの生まれる場所(著:西川正)を読みました

著者の西川正さんは、埼玉県で市民活動・まちづくりを支援するNPO法人ハンズオン埼玉の常務理事を務められ、また地域の学童保育を運営するNPOでも理事を務めていらっしゃる方。その西川さんが、ご自身の経験も踏まえて、関わる人が自発的に/自由に「遊ぼう…

エルサレムのアイヒマンー悪の陳腐さについての報告(著:ハンナ・アーレント)を読みました

ナチ体制下でユダヤ人の移送を差配する立場にあったアドルフ・アイヒマンは、敗戦後潜伏していたアルゼンチンでイスラエル諜報機関により捕らえられ、エルサレムに連行されました。そのエルサレムで開かれたアイヒマンに対する戦後法廷をハンナ・アーレント…

テレ朝会見で思うこと

「これはもう、構造的に限界なんじゃないか。」 福田元財務次官によるセクハラ被害を自社社員が受けていたという会見をテレ朝が深夜12時から開き(しかも自社では生放送せず)、「二次被害を恐れて公表しなかった」とのたまったと twitter で目にした時に感…

アンティゴネ・三文オペラ・子供の十字軍(著:ベルトレト・ブレヒト)を読みました

初めて「戯曲」というジャンルの本を読んでみました。 きっかけは恩田陸さんの演劇小説を読んだこと。恩田さんご自身も戯曲を書かれたとのことで、このジャンルに興味を持ちました。 中でもブレヒトを選んだのは、戦争、特にドイツの第二次世界大戦をモチー…

民主主義の条件(著:砂原庸介)、熟議が壊れるとき(著:キャス・サンスティーン)を読みました

政治分野の本を続けて2冊読みました。1冊は「民主主義の条件」(著:砂原庸介)、もう1冊は「熟議が壊れるとき」(著:キャス・サンスティーン)。 「民主主義の条件」は著者の近著「分裂と統合の日本政治」を読んで、さかのぼって読んでみたくて手に取りま…

潜伏キリシタンは何を信じていたのか(著:宮崎賢太郎)を読みました

2018年にも世界遺産登録と目されている、長崎・天草のキリスト教関連遺跡。その長崎・天草で、江戸時代の禁教を耐え忍び信仰を守ったとされる潜伏キリシタンたちが本当に信仰していたものは何だったのか?を考察した一冊です。 本書で著者は、潜伏キリシタン…

京大式DEEP THINKING(著:川上浩司)を読みました

元AI研究者で、今は不便益(不便さが生む利益)の研究に従事する著者の手になるより深く思考するための指南書。 「鉛筆による手書き」が生むひっかかりやダイレクトな体感が、反射的な浅い思考ではない、じっくり広がり・奥行きのある思考を生むのだそう。 …

うしろめたさの人類学(著:松村圭一郎)を読みました

エチオピアがフィールドの人類学者である著者が、エチオピアと日本を行き来する中で感じた「違和感」を手掛かりに、より公平な世界に近づくために各個人がどう他者と対峙すればいいかを考察・提案している一冊。 著者によれば「国家」や「市場」は一見個人の…

勉強の哲学 来るべきバカのために(著:千葉雅也)を読みました

グローバル化が進んだり、社会が断片化したり、AIがどんどんヒトの領域に入りこんできたりして、バカ=「話が通じない相手」が増えることが見越される中、その陥穽に陥らないようにするために私たちはどういう姿勢で学ばなければいけないのかーーーを説いた…

脳の意識 機械の意識ー脳神経科学の挑戦(著:渡辺正峰)を読みました

脳神経科学の動向を追いつつ、人の意識はどこから生まれるのか?という自然則に迫った一冊。脳神経科学の歴史と動向を幅広くカバーしていて、新書にしてはとても盛りだくさんの内容でした。 *自然則とは、「光速度不変の法則」のように、現にそうなっている…