【試論】マイクロ学資保険で学校運営
ご存じの方も、そうでない方もいらっしゃると思いますが、私、start to [ ]という団体でバングラデシュに小学校を建てて運営のサポートをしております。
で、そのランニング経費を送るのが今の一番のstart to [ ]の活動になっておるわけですが、ゆくゆくはわれわれがサポートしないでも、自立して運営できるようになっていって欲しい。
それにはどうしたらいいか、をここ数年、というか、サポートを始めた瞬間から考え続けてきました。
地元の住民の所得が上がるようなサービスをビジネスベースで提供して、そこで上がる収益を小学校の運営含む地元の生活向上に再投資するような仕組みとか?
あるいはパートナーである地元NGOが収益あげられるようなビジネス立ち上げるとか?
そんなこんなでずーっと考えてたのですが、ふと思いついた案があるので、検証してみたいと思います。
それは、「マイクロ学資保険」です。
マイクロファイナンスっていうと、ふつうは借り入れをイメージする人が多いと思います。
でも、貧しい人たち、一般的な金融サービスから疎外されている人たちが感じる不便っていうのは、預金サービスが使えない、っていうことも大きいそうです。
考えてみて下さい。
稼いだお金や入ってきたお金を全部現金で持ってなきゃいけないとしたら何が起きるか?
いくら意思を強くと言われても、特に世帯収入が高くない家計においては、日々強い支出圧力を受けるわけで、なかなかいざという時のためのお金を貯めて取っておく、というのは難しいんじゃないでしょうか?
だからこそ、急病人が出たり、結婚が決まったり、急に大きな支出をしなければいけなくなると、借金に頼りがちになる。
とくに病気の場合には、その後収入が回復しないので借金が返せず、あれば土地や家畜といったなけなしの資産を切り売りして、極度の貧困に落ち込んでしまう、というスパイラルにはまっていくケースが多いといいます。
少額ずつでもいい。
金利が付かなくったって、むしろ預かり手数料を取られたって、預金サービスにアクセスできれば使いたい、というニーズは強いそう。
※このあたりの話しは、『最底辺のポートフォリオ』に詳しいです。よかったらぜひどうぞ!
であれば、それを「学資保険」という形で集め、子どもの進学費用に充てるサービスを提供できないか?
以下、具体的な数字で検討してみましょう。
私たちが支援しているナングラー村の小学校の年間運営経費は約100万タカ。(日本円で約170万円)
在籍生徒数は1学年35人です。
支払い期間10年とすると、合計350人が加入することになります。
たとえば、金利マイナス10%(つまり預かり手数料10%ということ)でサービス提供できたとします。
年間100万タカ上がるためには、預かり総額1000万タカが必要です。
これを加入人×年、1年×35人+2年×35人+3年×35人+4年×35人+5年×35人+6年×35人+7年×35人+8年×35人+9年×35人+10年×35人の合計1925で割ると、
年間支払い金額が一人当たり5195タカ。月間に直すと一人当たり433タカの保険料になります。
うーん、これは高すぎて無理ですね、きっと。。。
でも、でも、運用益を考えると、もし8%の運用益が確保できればひと月の保険料が86タカに押さえられる。
バングラデシュの10年物国債が利率約8%なので、これは無理ではない利率かも。
これにインフレ率と、途中で保険料支払いを免除するような事由(世帯主の死去など?)の発生率を加味すると、100タカの保険料でいけるかな?
少なくとも、不足金の補填だけすればいいようになれば、真水で持ち出さなければ行けない金額はだいぶ減らせて、自立に大幅に近づくなぁ。
誰か、保険商品設計のノウハウがあって、一緒に立ち上げてくれる人いませんか~?